32call ページ32
大貴「Aはさ、あいつみたいに離れない?」
かすれた声。
さっきの笑い声とは裏腹に、手にかかる力が強くなる。
『離れると思いますか』
大貴「あいつは、離れちゃった」
『私は、離れない』
大貴を支えるかのように、
顔を髪にうずめる。
大貴「お願いだから。離れないで」
応えるように、また
手に掛かる力が強まった。
『私、大貴のこと好きだもん』
大貴「うん」
今まで言えなかった好き、の2文字。
伝わってるかな。
『…好き』
それから、何分経ったのかはわからない。
いつ、なにがきっかけで、帰ろう、と思ったのかもわからない。
大貴「よし、家まで送る」
軽く私のでこにキスを落とし、
手を引っ張る。
前髪、変になっちゃったよ。
大貴「家、どこだっけ?」
『覚えてないの?』
繋がれた手を、大袈裟に振りながら
家まで向かう。
大貴「手汗、すごいかも」
『雰囲気壊すなよ』
少し離れた手、
もう一度繋がれた手。
さっきから鼓動が鳴り止まない。
大貴「ここらへん」
『そう。このアパート』
繋がれた手は、私が前を歩いたと同時にほどけ、
もうお別れか、と気分が下がる。
大貴「203号室」
『よく覚えてるね』
大貴「部屋まで送る」
なにを思って、
誰を考えて、
私を見てる?
幸せだよ。
幸せだけど。
どこか痛みを感じる。
大貴「どした?」
『ん、何もない。ありがと』
私も、
大貴も、
今日の日を忘れませんように。
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高鷲*(プロフ) - いつも皆様ありがとうございます。あと2票で100票!誰か投票してくれる方いらっしゃいませんかね...。殿堂入り、目指したいです!!続編もありますのでそちらも…笑 (2015年4月12日 11時) (レス) id: 7a0f268732 (このIDを非表示/違反報告)
しほ - 大ちゃんの行動一つ一つがメッチャどきどきします!!更新楽しみにしてます(*≧∀≦*) (2015年4月9日 16時) (レス) id: c371d82f1a (このIDを非表示/違反報告)
JUMP ラブ - 更新楽しみにしてます!応援してます!頑張ってください!(≧∇≦) (2015年4月8日 23時) (レス) id: 523fede14c (このIDを非表示/違反報告)
りかちゅん(プロフ) - 贅沢ですね〜(o^^o)たのしみにしてます! (2015年4月8日 21時) (レス) id: 989dd56ba1 (このIDを非表示/違反報告)
高鷲*(プロフ) - りかちゅんさん» まだ、秘密です*.。 (2015年4月8日 21時) (レス) id: 7a0f268732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高鷲* | 作成日時:2015年4月7日 0時