/ 邪 魔 者 / A.D Y.R

13call ページ13

とりあえず車を出し、
大通りに出た。









『てか、どこに向かうの？』








大貴｢えーと、昨日と一緒｣









駅前の居酒屋、ね。
思い出の居酒屋。




店員さんに顔覚えられるよ。









『今日は３人で飲むの？』








大貴｢Aも合わせて7人｣








多。

友達いっぱいだなぁ。








山田｢あと、光くんと薮くんと伊野尾ちゃん｣









『ていうか、私飲まないよ』









プライベートでしょうに。


その前に私が嫌だ。




男と飲むなんて、慣れたことではない。



しかも今知った人に。


私からしてはネットやテレビで見たことがあるけどそれとこれは別。








中島｢まぁ、話聞くだけでもいいからさ｣









大貴｢プライド高いなあ｣









『うっさい』









仲間には榮のこと言ってるかな。




今は榮と重ね合わされている感じが自然としない。



周りに誰かがいるから？









『もう着くよ』







大貴｢うん｣








10分も走れば3人の目線は自身の携帯。




運転している人の身にもなれよ！









大貴｢そういえばさ、なんで車持ってんの？｣









大貴｢お金貯めたの？｣









確かにあんな小さな雑貨店で働くだけで
車を買える訳が無い。



家賃を払うだけで手いっぱいだ。









『父さんにもらった』









21の誕生日に成人式のプレゼントが大したものではなかったとか言って

自身の車を娘に譲ったんだ。









『そんな乗らないけど』








最近はガソリンが無駄に高いから。


自転車、徒歩で移動をするようにしてる。









山田｢お、着いた？｣







『先降りる？』








大貴｢席とっとく｣








大貴以外は車に残り、



私は近くのパーキングエリアに停め、徒歩で居酒屋に向かう。

14call→←12call

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す