秘密の想いを Ⅱ (ページ4)

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連絡ページ4

グラジオは私を見た。

「確か、この2人はジユンが呼んだらしいな？」

「ええ。大事な任務があってね」

ビッケさんが戻ってきたところで、話し始めた。
エーテル財団襲撃事件のこと、アランとの別行動のこと、犯人からの要求…
2人は驚いて顔を見合せた。

「そんな大事件があったとは…」

レッドが言ったのに対し、グラジオは頷いた。

「この事件にはUBが関わっている。UBの秘匿性は極めて高いので表沙汰にしなかった」

「そこでなんだけど、レッド、グリーン。2人に連絡係を務めてほしいの」

私の言葉に、グリーンは片眉を上げた。

「直接対面はできないが、オンラインとかで話せるんじゃなかったのか？」

「その通りよ。でも、犯人がわざわざ私たちを引き離しておいたのには必ず理由がある。それに普通ならあらゆる連絡手段の排除をするはずなのに、何故か対面することだけは禁じた。
つまり、直接顔を合わせると犯人側に何か不都合があるから、とは考えられない？」

一同は確かに、と頷く。

「そこで、2人には私たちが本当に伝えたい情報をアランたちに教えてきてほしい。犯人はどこで私たちを見ているかわかったものじゃないし、用意周到な犯人のことだから、盗聴器とか仕込んでいる可能性も否定できない。
私たちは犯人に知られても困らないような情報を流すわ。2人はアランとリーリエだけに伝えてもらいたいの」

「テレサには知らせないのか？」

グラジオが聞いた。

「財団専属の探偵ってことは相当信頼があると思うんだけど、知る人間が少ないほど情報は漏れにくいから」

「…それが良いだろうな」

グラジオは肩をすくめた。「テレサは優秀だが、秘密を預けるのに少々不安があるからな」

「どういうことだ？」

グリーンがすかさず聞いた。
するとグラジオは目を逸らし、気まずそうに座り直して咳払いした。

「テレサは…その、趣味がバー巡りなんだ。
容姿も良いから、バーでよく声がかかるんだが…何度か朝帰りのときがあった。本人も、そのことに対してあまり罪悪感がないし…
まあ、今のところ情報をうっかり漏らしたという報告は受けてないから、彼女なりに秘密は守っていると信じてはいる」

…これは言いにくいわけだ。
というか、本当に大丈夫なのか、その探偵の人。
グリーンも唖然とし、レッドは帽子を深く被った。ビッケさんも苦笑いしている。

「…まあ、彼女には伝えないのが無難ってところかしらね…」

微妙な空気を終わらせようと、一応、そう締めくくった。