【参加者大募集中！】SnowSchool【短編集版】 (ページ31)

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何十年、何百年【？？？】ページ31

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ぶわりと風が吹き、俺の着流しをバサバサと音を立てて揺さぶる。
ボサボサになってしまいそうな髪を手で押さえ、俺が向かうのは神社だった。

＊

桜の舞う、その季節。
恋愛成就でもなければ結婚祈願でもない。
ただ、捜し物をしていた。

鳥居をくぐればタン、という誰かが降り立つような音。
そして

「こんにちは、綺麗な銀髪のお兄さん！…この神社に来たって事は、捜し物があるのかな？

　＿＿＿＿ねぇ、捜し物は何？大切な物？大切な人？楽しい思い出？嬉しい言葉？
＿＿＿＿＿この千里眼で、何でも見つけて上げるよ。」

という声。
俺は後ろを振り返り、少し驚く。
でもすぐに平静を取り戻し、こう言った。

「朦刻泡を、探しているんだ」

目の前の不思議なヤツは、満足そうに頷いた。

＊

目の前には、お菓子を食べて誰かを待つ、久しぶりすぎる女の背中があった。
俺はフッと微笑む。
やっと。やっと会えた。

彼女はふと後ろを振り向き......
溜め息を吐いた。

「居るわけ、ないですよね......」

そう言ってまた顔を正面に戻す。
するとすぐに俺の顔を視界に納め、フリーズした。
魚のように口をパクパクさせて。
綺麗な瞳は潤んできている。

俺はお菓子を一口パク、と食べ。
変わらぬ美味しさに驚く。

「やっぱ美味い」
「......ど、して......」
「ん？......はは、迎えに来た」

天国への道じゃなく、幸せへの道に行くために。
――――......ただいま。