選ばれし者とその妹 (ページ8)

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Story 7 ページ8

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「……『その他生徒が用意するものは、錫製の標準型大鍋一つ。希望者は、ふくろうか猫、またはヒキガエルを持ってきてもよい』。全部ロンドンで買えるの？」

　ロンドンの大通りを歩きながら手紙の文面を広げていたハリーの問いにハグリッドは「店を知ってればな」と答えた。
　しばらく歩くうちに“漏れ鍋”という店にたどり着き、ハグリッドが黒い扉を開く。賑やかだが冷たい石壁で囲まれた店内は薄暗く、テーブルの上の蝋燭の火が怪しげに揺れている。

「よぉ、ハグリッド。いつものやつかい？」
　
「いや、やめとこう。ホグワーツの用事でな。ハリーとAの入学準備の買い物をしにきた」

　バーテンはハリーとAを見ると徐々に感動の表情を浮かべる。

「やれ、嬉しや……ハリー・ポッターとその妹か？」

　店内が静まり返り、一斉に視線が向けられる。
　こんな風に注目されることに慣れていないAがどぎまぎしていると客たちが握手を求めてきた。

「おかえりなさいポッターさん、光栄です」

「ドリス・クロックフォードです。お二人にお会いできるなんて、夢のようですわ！」

「え、あ、こちらこそ、こ、光栄です？」

　Aはやっとの思いで声を絞り出す。一体、どうしてこんなにも喜ばれているのだろうと二人が考えているとそれまで壁際に立っていた、紫のターバンを頭に巻いた青白い顔の若い男性が話しかけてきた。

「は、ハリー、ポ、ポッター……それに、A・ポッター……お会いできて、か、感激です」