Story 39 ページ40
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クリスマス休暇が終わってある日のこと。Aが一人でハグリッドの小屋を訪ねると彼は喜んで迎えてくれたが、時折思いつめた顔を浮かべていたのが気になった。
「何かあったの？」
「ん？ ああ実は……」
ハグリッドの話によると、禁じられた森に住むユニコーンが何者かの手によって無惨にも殺害されたとのことだった。
「理由は分からないけど酷いわね……」
「森に住む者がやったとは思えん。そもそもユニコーンを捕まえるのは容易いことじゃない。強い魔力を持った生き物だからな。ユニコーンが怪我したなんてこたぁ、俺は今まで聞いたことがない」
Aはふと、クリスマス休暇で暇つぶしに読んだ魔法動物の本の内容を思い出した。
「ユニコーンの角や尾の毛は魔法薬の時間に使ったことがあるけど、それなら殺す必要なんてないわね」
「そうだな」
「本で読んだの。ユニコーンの血を飲めばたとえ死の淵にいる時でも命を長らえさせることができるって。でも、その代わりに生きながらの死という恐ろしい呪いの代償を払うって」
「そもそもユニコーンのように純粋で無防備な生物を殺すなんて非情極まりないこった。呪われても仕方ないわな」
もしも血が目的なら、誰が何のためにそこまでするのかAには理解できなかった。永遠に呪われてまですることなのか。
その日の午後。
Aがハリーとロンと図書館で本を読み漁っているとハーマイオニーが巨大な古い本を三人の前に置いて開いた。
「あったわ、ここよ。ニコラス・フラメルは賢者の石を作り出した人である。
「なにそれ？」ハリーとロンが同時に言う。
「本読まないの、あなた達？ 賢者の石は恐るべき力を秘めた伝説の物体で、いかなる金属をも黄金に変え、命の水を生み出す。これを飲めば不老不死となる」
ニコラス・フラメルの名前にAが聞き耳を立てる中、ハーマイオニーはさらに続ける。
「現在存在する唯一の石はニコラス・フラメルが所有している。フラメル氏は有名な錬金術師で去年、六六五歳を迎えた。……フラッフィーが守ってるのはこれよ！ 仕掛け扉の下にあるのは賢者の石よ」
「スネイプ先生がそれを狙ってるってこと？」
Aが尋ねるとハーマイオニーは頷いた。
「今夜、ハグリッドの小屋に行くわ。A、あなたは？」
「私はちょっと、調べたいことがあるから。三人とも見つからないように気をつけてね」
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作者名：闍弥嵩 李 | 作成日時：2020年1月2日 17時
