Hoffnung (ページ45)

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｢ｯ涼太…?｣

そう呼ぶ彼の顔は酷く疲れている顔だった

｢傘もささずに何して…!?｣

なんと彼の服には所々血がついていた

｢…｣

まるでいつも笑顔の彼とは別人のようだった

｢ｯは!?ちょっ!｣

疲れていたのかこちらに倒れ込んできた

｢え、大丈夫かよこいつ…｣

渡辺が険しい顔をする

｢ここに置いていく訳にもいかないね…帰ろうか｣

宮舘は佐久間を背負って歩き出す

…帰り道は何も話さなかった

｢ｯよいしょ…｣

渡辺がソファにタオルを敷いて宮舘がそこに佐久間を寝かす

できるだけ水を拭き取って

｢シャワー浴びてくる｣

と渡辺は風呂へ向かった

なんで彼は血を浴びているのだろう

佐久間が持っていた鞄を見るとそこにはナイフと拳銃が入っていた

何か凄い事に手を突っ込んでしまったのか

でも、彼をほっとけない

これからどうすればいいものかと考えていたら

｢ｯ…りょった…?｣

佐久間が目を覚ましたようだ

｢うん、涼太だよ。具合はどう?大丈夫?｣

｢…ちょっと頭が痛いくらい｣

｢そっか、なら良かった｣

ご飯作ってくるねと言って宮舘はキッチンに向かう

｢涼太～上がった～｣

と頭を拭きながら出てきた渡辺

｢ん、じゃあ、これ作り終わったら俺も入ろっかな｣

宮舘はお粥を作っていた

｢じゃあ、その間佐久間だっけ?お前風呂入りな｣

と渡辺が声をかける

｢え、あ、はい…｣

｢別に遠慮しなくていいから、涼太から話は聞いてるし｣

と渡辺はあっけらかんに話す

｢あの、服ってどうすれば…｣

｢あ、俺の服貸すわ。後で持ってく｣

佐久間は混乱していた

え?なんで何も聞かないの?

それにあの塩顔さんは分からないけど涼太は鞄の中を見ているかもしれない

どうすればいいんだろうと考えても結局何も思いつかなかった

軽くシャワーを使わせてもらって出ると服が置いてあった

ありがとうございますと小声で言って服を着る

｢…上がりました｣

｢あ、佐久間、机にあるお粥食べていいから。俺も風呂入ってくる、なんかあったら翔太に聞いて｣

と言って宮舘は部屋を出る

いただきますと佐久間が小声で言ってから何も話さない

｢…ねえ｣

渡辺はこの空気が嫌だったのか少し声が苛ついてるように聞こえる

｢お前って何者?｣

…聞いてほしくなかった

素直に話せばどうなるのだろう

警察にでも突き出されるのか

やっと幸せだと感じることができたのに

ふっかごめんねと心の中で呟く

｢あ、言いたくないなら別にいいけど｣

…え?