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殺戮の裏 ページ13

「…………」



信子はそれに動じること無く抱えていたカルテの隙間から真っ赤な封筒を取り出した。



「こちらが昨晩届きました。赤の封筒に黒星が三つ…」

「急ぎ…という事かな?」

「そうなります」



寛は溜息を着くと、その封筒を受け取り、白衣を脱いで信子へと渡して部屋を後にした。
診療所内の書室の奥、とある棚をスライドさせると、そこ地下へと繋がる階段が出てくる。そこを降りると一つしかない電球が天井から吊るされて照らす薄暗い部屋があり、壁には日本地図が貼られ、その手前の机には鉈やナイフといった刃物が幾つか置かれていた。

壁に掛けてあった黒いコートに袖を通すと、封筒を開いて中から便箋と写真を取り出す。
写真に映る男の姿と、便箋に書かれた名前を元に、その男が誰かを確認する。



『如何にも…って感じだね…』



少し小太りなこの男は、話だけは聞いていた、最近ヨコハマに手を出してきたヨコスカを牛耳っているマフィアの首領だ。



「まぁ、関係ないか…」



寛は机の上からナイフを手に取り、手先でクルクルと遊ぶ。深呼吸をし、ナイフを確りと握って異能力を発動した。



『異能力、東西南北』



その瞬間、寛の頭の中に写真の男の位置情報が一気に流れ込んで来る。男は丁度、部下を引き連れて車で高速道路を走っていた。行先からしてヨコハマを目指していたのだろう。



「おやまあ」



寛はそう呟くと、次の瞬間には空いていた男の隣の座席に座っていた。



「な、なんだきさッ!!!」

「はい、黙ってて…」



寛は男のアッパーを食らわせると、異変に気付いた前の運転席と助手席の部下二人が振り向く前に、助手席の男の首、顎の下辺りを後ろから切り、そのまま運転席の男の首へ刺す。その反動でハンドルを左に勢いよく切った為に車はスリップしながら壁に激突し、横へ回転した。



「おやおやまあまあ」



焦る必要は無い、後は異能力で跳ぶだけだから…



『異能力、東西南北』



『森鴎外』



「おや、終わったかい?」

「えぇ、今頃車と転がってますよ…」

「それは良かった」



突然現れた寛に驚くことなく、ニコリと笑顔を見せる男。

ポートマフィアの首領、森鴎外、その人である。

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∞色(プロフ) - 白さん» あわわわわ!ありがとうございます!外したつもりでいました(汗)気を付けます!御指摘ありがとうございました! (2016年12月2日 0時) (レス) id: d84928d06e (このIDを非表示/違反報告)
- 「オリジナルフラグ」が立ったままになってしまっていますよ。尚、二次創作は「オリジナルフラグ」の対象ではないので、外していただければと思います。 (2016年12月2日 0時) (携帯から) (レス) id: d9d0dd6f99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:∞色 | 作成日時:2016年11月27日 23時

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