センチメンタル (ページ15)

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慎「じゃあ先生、心の準備はいい？」

優「ああ。」

樹が重たそうなドアをゆっくりと開け、俺は2人に続くような形で部屋の中へと入っていく。

慎「おーいジェシーちゃーん！来てやったぞー」

慎太郎の大きな声でも消えてしまうくらい、広々とした部屋に着いた。

ここリビングだよな....？

樹「せんせー！こっちこっち！(小声)」

小さな声で呼ばれ、俺はその後に着いていく。

さて、もうご対面のお時間ですか......

あーやだなーまた俺無視されんのかなー

憂鬱に感じながらも、3人でドアの前に立った。

慎「よし！行くよ？」

優「お、おう....」

1つ呼吸を整えて、俺は覚悟を決めた。

そして樹が勢いよくドアを開けたと思ったら.....

ドンッ！！！

優「おわっ！！！！！」

俺の背中に思いっきり力が加わった。

突然の事で俺はその力に耐えることなどできず、
そのまま前に倒れた。と同時に、

バタンっと後ろで音がした。

え........まさか........

俺は慌てて立ち上がり、ドアノブをひねる.....が、
そのドアはビクともしなかった。

ドンドンドンドンドンドン！！！！！！

優「おい！！！お前ら！！！ふざけんな！！！」

思いっきりドアを叩く。

慎「先生！ちゃんと話してくださいね～！！！」

ドアの向こう側から慎太郎の声が聞こえた。

ドンドンドンドンドンドン！！！！！！

優「おい！開けろって！！！」

樹「先生が話すって言ったんですから！自分に責任もってください～！」

優「.......」

そう言われた瞬間、俺はドアを叩く手を止めた。

確かに言ったとも.....でもさ......

2人だけはさすがに気まずいって...！！！

俺は今、後ろを振り向けないでいる。

アイツは今どんな顔して俺のこと見てるのだろうか。

いや、そもそも見ていないのかもしれない。

あー怖い。

振り向くだけなのになぜこんなに怖いのだろうか。

どうしていいかわからずその場に立ち尽くしていると...

ジ「何しに...来たんですか？」

背後から声が聞こえた。

優「え....」

俺は声をかけられたことに驚いて、振り返ってしまった。

視界に入った光景は...

シャーペンを握りしめて、机の上にある教科書を見つめているアイツの姿があった。

なんだ見てないじゃないか...

少しだけホッとした。