EP2.月の首飾り〈3〉 ページ15
そう呟く安室の声は震えていた。女性は安室が険しい顔をしているのが気になり、「どうかしましたか?」と心配そうに顔を覗き込んだ。
安室は女性の声で握りしめていた手を緩め、笑顔に戻り「すいません」と言う。
「そのネックレス、素敵ですね。僕の友達が昔似たような物を持っていたんですよ」
安室はネックレスを指差しながら微笑んだ。ネックレスの形は、三日月のようだ。光に反射して、輝いているようにも見える。すると子ども達も気になったのか、女性の後ろから顔を出した。
「あ!!わたしそれ知ってるよ〜、たしか……ペアネックレスだよね!」
歩美は女性のしているネックレスを知っているようだ。女性は、「あ、これは……」と言いかけたがその声を遮るように歩美が、「あ!!!」と声を上げた。
「安室さんがしてるそのネックレス!もしかして夜桜さんのネックレスとペアなんじゃない?」
安室の首には女性がしているネックレスとは形が違う、満月の形をしたネックレスがあった。
歩美がそう言うと、元太がペアネックレスがくっ付いているところが見たいようで、「やってみてくれよー!」と言う。
「もしよかったらくっつけてみませんか?子ども達も見たようですし」
安室はそう言いながら自分のネックレスを首から外す。安室は乗り気なように見える。
「そうですね……やってみましょうか」
女性もネックレスを外し、安室に渡した。安室は2つのネックレスをくっ付けようとした。
しかし、三日月の方が大きいようで綺麗な丸型になることはなかった。
「なーんだ、くっつかねーじゃんかよー」
「あれー?別のやつなのかなー……」
子ども達は残念そうだった。安室も、どこか悲しげな顔をしていた。
「ごめんなさいね〜、私のネックレスはお母さんに譲ってもらった物なのよ〜」
女性は子ども達をなだめるようにそう言った。「そうだったんですね、ネックレスお返しします」と、納得したように安室は女性のネックレスを返した。
「そういえば、自己紹介がまだでしたね……私は夜桜Aといいます。こちらの男性は、七海建人。私の友人です」
夜桜がそう言うと、七海は安室を見て小さくお辞儀をした。
「僕は安室透といいます。いつも綺麗な花をありがとうございます」
3人が自己紹介をしていると、何やら店の外が騒がしく聞こえた。
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唄海(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラさん初めまして、コメントありがとうございます!オチは今のところまだ未定です。五条オチもいいですね!考えさせていただきますね。応援よろしくお願いいたします! (2022年7月31日 12時) (レス) id: 7262bd6081 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年7月24日 20時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唄海 | 作成日時:2022年6月5日 18時