No.2 二つの命でしょ ページ2
私は目の前の光景を疑った。遊具はボロボロ、家ももはや原型をとどめてなく、粉々だ。それは一つじゃなくほとんど。そして血を流した人や、意識をなくしている人、瓦礫に埋まっている人もいる。私はすぐに二人の目を隠した。
「ダ、ダメ!見ちゃダメ!!」
二人は混乱して私の手をどかそうとしているがこればっかりは見ちゃいけないものだ。それまでにこの状況はひどいのだ。
「・・・・っ!」
近くに何かいる気がして辺りを見回す。そしていたのだ、先ほどの怪物がすぐ近くに。この子たちと一緒に逃げるのは無理だと判断した私は二人の目線が合うようしゃがむ。
「いい、すぐにさっきのところに戻れる?」
「・・・・うん」
「お、お姉ちゃんは?」
「大丈夫!お姉ちゃんは・・・・なんとかするから!!」
ほらと私は二人の背中を軽く押す。二人の女の子は急いでさっきまでいた遊具の下に隠れる。
「私がいいよって言うまで出てきちゃダメだからねっ!」
というと二人はうなぐく。それを見て私は近づいてくる怪物を見る。武器に使えそうなものがないかと周りを見る。するとジャングルジムの残骸である鉄の棒を見つけ、それを拾う。鉄の棒を軽く振り、怪物に向かって構える。今日ここで死ぬかもしれない。・・・・・いや、生き残るためにたたかうんだ。戦う技術なんて私にはない。でも、先日見たアクション映画の見よう見まねならできるだろう。
怖い、逃げたい、怖い、死ぬのはやだ。ダメ、戦え、あの二人を守るのは誰だ、自分だろ、まだ小さな二つの命と自分の特になんでもない平凡な命を心の中で天秤にかける。それはもう答えは決まっている。
「・・・・二つの命でしょ」
15人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
tOuka(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます!!はい!気をつけます!! (2018年1月20日 20時) (レス) id: acfc767a41 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく気に入った作品で続きが楽しみですこれからも体調に気をつけて更新頑張ってください応援してます (2018年1月20日 16時) (レス) id: 9bec705c08 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:tOuka | 作成日時:2018年1月20日 15時