180話 ページ10
「どう?少し落ち着いた?」
「・・・はい」
「もー、ヒュースくんズバズバ来るから圧倒されちゃうよね」
「かなり主観的な意見ではあったけどな」
「無理しなくてもいいんだからね、千佳ちゃん。今のままでも勝算は全然あるんだから」
優しい声で話す二人を私は千佳ちゃんの隣に座って眺める。
「あの・・・、あの、わたし・・・」
「・・・どうした?」
「なあに?千佳ちゃん」
「・・・・」
チラッとこちらを見る千佳ちゃん。ん?どうした?わかんないけどとりあえず頷く。すると、
「・・・・うまく言えるか、わからないんですけど・・・・、わたし」
「うん。うん大丈夫だよ。ちゃんと聞くよ」
栞の真剣でも優しい目線に千佳ちゃん「ふー」と息を吐いて語ってくれた。
それは自分の過去についてだ。
小学生のとき、トリオン兵に追いかけられた千佳ちゃん。その時はまだボーダーもできておらず、だれも「異世界からの来たもの」という認識はなかったときだ。親に話しても周りにいる友人に話しても信じてもらえなかったが、唯一、一人の友人が信じてくれたが、その後この子は行方不明になった。おそらく近界民にさらわれたらしい。
千佳ちゃんはその子がいなくなったことよりも、周りの人に信じてくれなかったことよりも、
千佳ちゃんが言ったことを信じ始めたことが怖かったのである。
「あいつが言ってたことは本当だったのかも」
そしてその子がいなくなって「私が巻き込んだせいだ」となることも。
その後、ボーダーできて近界民のことが広まったことにより更にその意識が深くなっていったのだ。
「わたしは、本当は・・・・、人を傷つけるのが怖いんじゃなくて・・・・、人を傷つけたことを誰かに責められるのがこわいんだと思う」
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tOuka(プロフ) - チャケップさん» おぉ!なんと言う奇跡w以外にもヘタリアとのクロスオーバー、ワンチャン行けるのでは?って思ってますw主人公が各国に周るくらいなんですけどねw (2020年8月24日 12時) (レス) id: 227fd54672 (このIDを非表示/違反報告)
チャケップ - ヘタリア面白いですよね〜 自分もこれ見てる時ちょうど音楽プレイヤーでイギリスのキャラソン 聴いてたんですよ〜 (2020年8月15日 23時) (レス) id: db363af514 (このIDを非表示/違反報告)
tOuka(プロフ) - 鳴瀬さん» ありがとうございます!待っていていください。このご時世ですからね体調気をつけます!! (2020年8月10日 22時) (レス) id: 5eec9fb525 (このIDを非表示/違反報告)
鳴瀬 - 更新、いつも楽しみにしています。のんびり、待っています。体調に気を付けてください。 (2020年8月10日 22時) (レス) id: 98266d8bda (このIDを非表示/違反報告)
tOuka(プロフ) - チェリーさん» おぉ!!ありがとうございます!...すみません、見方がわからないです。 (2020年8月1日 18時) (レス) id: 227fd54672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tOuka | 作成日時:2019年8月6日 7時