Wish Upon a Sky…1 (ページ27)

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宏との「デート」は

正直、いつも遊びに行くのと

あまり変わらないと思ってた。

いつもは、遊びに来ても

私が宏を連れ回してるのに

北「ぼーっとしてないで早く乗るぞ、」

最初に繋いだ手は離されなくて。

宏に引っ張られて歩くのは珍しい

「…ぁ、ちょ」

ジェットコースターも

バイキングも

コーヒーカップも。

普段なら怖がるタイプじゃないし

何回乗っても大丈夫なのに。

今日はドキドキしちゃって

いつもの自分じゃないみたい。

…理由はわかってる。

宏を変に意識したことと

私を引っ張って

楽しませようとしてくれている

宏のせい。

…なんか、このまま宏のこと

好きになれるかも。

学校終わりに来たこともあって、

あっという間に日が暮れてきて

閉園時間間近。

最後にベタだけど観覧車乗ろうって。

ガチャン、と締められるドア

北「なんか、二人っきりって…

今日は緊張する」

「…う、ん」

もう、宏に返事しなきゃ。

「…あの、ね」

変な緊張感

「私、裕太が好き」

やっぱり、好き。

北「…うん。」

そんな簡単に

忘れられない。

だってずっと裕太のことだけ

見てきたの。

「だけど…」

裕太に伝えられない気持ち

全く私の気持ちに気づかない裕太。

もう正直、限界が来てた。

北「…ぅ、ん？」

「宏といると、安心する。

私のそばにいてくれて

助けて欲しい時にいつも助けてくれて。

…これからもいてほしいの。」

いつも私を大切に思ってくれてた宏だから。

「それに、

気持ち、聞いてから

私すっごくドキドキしてる。

一緒にいるとすっごい楽しくて。」

恋愛感情がどうとか正直わからない。

でも、気持ちに応えたい。

そばにいてほしいし、いたいの。

「私、宏のこと好きになりたい」

だから、

「…宏が嫌じゃなかったら、

私と、……/」

私と付き合ってって、言おうとしたのに

隣に座ってた宏に引き寄せられて。

北「…ここまできて

Aから言わせるかよ。」

抱き寄せてた私の両肩を持って

北「A、俺と付き合って欲しい」

景色なんか目に入らないくらい

宏でいっぱいになってた。