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あれから他愛もない話をして
着いた海。
Aはずっと上の空って感じだけど。
本当にノープランで来てしまった俺は
しばらく海の向こうをみつめる
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北「…Aさ
前にも俺と裕太とでここ来たの
覚えてる？」
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あの時…
Aはまだ小さかったけど
俺らはもう小学校高学年くらいで
しっかり記憶に残ってる。
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「…覚えてる。
うっすらだけどね、」
でも俺はまだあのとき
自分の気持ちを自覚してなかった
…というか、Aに対する気持ちが
恋愛感情だということを理解していなかった。
北「あの時さ、
A本当に泣き止まなくて
俺と玉、まじでどうしようって
とりあえずここに連れてきてみたら
お前すぐ泣き止んで」
そう、まさにこの海で
北「急にパッてすっげー笑顔になってさ…
俺そのとき、ずっとお前のその顔だけは、
守りたいって思ったんだ、」
俺は自分が
Aを好きなんだ、って気づいた。
「宏…」
北「Aが
あいつのことずっと見てきたのは知ってる
でも、俺はやっぱお前の笑顔が一番大事。」
あれからずっと、
お前の笑った顔がなによりも見たくて。
北「だから、
お前が笑えなくなるくらいなら
もう玉なんかやめちゃえよ…、」
俺ならもっと笑顔にさせるのに。
なんで玉なんだよ…
北「諦めらんないのは知ってる。
…あのときから
Aが玉のことずっと一途に追いかけてんの
ずっと横で見てきたから。」
玉の言動に一喜一憂するAは
俺が一番よくわかってる
それだけ玉のことが好きなのも。
「…っふ、ぅ」
でも俺が
こんな悲しい顔するAを
見てられないんだ。
…
涙が伝う頬に触れて拭う。
目の前にすれば込み上げてくる
Aを愛しいと思う感情
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北「…俺がそばにいるんじゃダメ？」
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作者名：きなこ | 作成日時：2016年10月7日 1時
