Wish Upon a Sky…1 (ページ13)

今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:15,614 hit

＊12 ページ13

.

お～はよ～って

寝癖でぐちゃぐちゃの頭で歩いてきた裕太。

北「玉、寝癖すげーぞ、笑」

って真っ先に宏。

　
玉「んえ？まじで？笑」

寝起きで目が半開き状態の裕太は

スタスタって洗面所に歩いて行った。

玉「やべぇ！みつ！どうやって直せばいいのこれ！」

って洗面所から叫ぶ声

北「水付けときゃそのうち治るだろ」

なんて、なんとも

宏らしいワイルドな答え

玉「ダメなんだよ！今日

智佳とデートなの！」

…智佳さん

裕太の彼女さんの名前。

会ったことあるから

もちろん知ってるけど、

こうやって名前が出ると

２人がデートしてるとこ、想像しちゃって

ギュッと胸が締め付けられる感覚。

北「ワックスでも

つけときゃいいんじゃねーの？」

って裕太に返事をしながら

頭をポンポンってしてくれる宏

洗面所にいる裕太には

聞こえないような声量で

「後でアイス、買ってやるから」

って言ってくれた。

宏の優しさにまた、胸がギュッとなる

ワックスつけてくるーって

すぐ隣の自分の家に帰っていった裕太。

北「A…」

普段聞かない声色に

なんだかまた、不安を感じる

「…ん？」

北「…アイス、何味がいい？」

なんて想像もしない質問に

拍子抜けした私

でも、優しい宏にこれ以上

悲しい顔なんて

見せちゃいけないって思って。

「いちご。笑」

今、自分のできる

限界の笑顔で答えた

そんな私に

「お前ほんと、いちご好きだな」

って、宏も合わせて笑ってくれる

…なんでだろう。

裕太のこともそうだけど

どうしようもなく気持ちが沈んじゃった時、

宏と話してると

作り笑顔をいつの間にか

本物の笑顔にできるの

きっと宏は

私にとってすっごく必要で、大切にすべき人。