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「…ぃ、
…おーい、
A〜、遅刻すっぞ」
朝から耳に響く
玄関からしてるであろう
幼馴染の声。
「…んんっ…
宏、声でかい…」
「A〜、おはよ」
…
…そして起きたばかりの
私より寝ぼけているかのような
声の持ち主もまた、私の幼馴染。
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「今行くから待っててー」
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自分の部屋からそう叫べば
こんのわがまま娘〜!
とか、俺遅刻すんのやだー笑
なんて騒いでる声が聞こえるけど
それでも待ってくれる2人。
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「お待たせ、
行こ?」
「いいご身分だことー」
「俺らはほんとに
Aに甘いよね、笑」
なんて、笑いながら
他愛もない話を3人でするの。
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この日常が
私にとっては本当に幸せで。
そんなこと不可能なのに
ずっと続きますようにって
毎日、大好きな空にお願いする。
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こんな幼馴染との
出会いは、私が
まだ幼稚園に通っていた頃…
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「A、今日からこの
お家に住むんだよ?」
そんな母からの言葉と
目の前にはきれいな一軒家。
「ほんとっ!?
このおうち、かいだんある?」
それまでマンションに
住んでいた私の憧れ…
階段。
「あるよ?笑
楽しみだね」
「やったー!」
単純な私はそれだけで
嬉しくなって。
引っ越し屋さんが
まだ荷物を運び入れている途中の我が家に
スキップしながら足を踏み入れた。
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それからすぐに
荷物の運び入れが終わって
引っ越し屋さんが帰っていった頃、
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「お隣に、挨拶しに行こっか。」
母はそう言うと微笑んで
私の手を引き歩き出した。
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作者名:きなこ | 作成日時:2016年10月7日 1時