coda ページ4
うーん。悲惨だ。
私はまず、唇を震わすやつができない。だから、マウスピースの音もならない。
先輩はそんな私に、軽く困り笑いを浮かべている。
「うーん。まあ、最初はそんなものだよ。えーと・・・」
先輩は私の名札を見ている。あ、名前か。
「佐島空子です」
「空子ちゃんか。うん。あ、私は3年の白井千恵美だよ。ユーフォのパートリーダーやってるの。っていても、ユーフォパート私一人なんだけどね。」
誤魔化してはいるが、少し寂しそうな顔をしていた。
「じゃあ空子ちゃん、木管も吹きにいこっか。アルトサックスとか似合うんじゃないかな」
「あ、あの私・・・」
ユーフォをもっと練習したい、そう言い出せず、白井先輩について行き、部室�，貌�った。
あ、舞がトランペットを持って、二人の先輩に褒められまくっている。舞にそんな才能があったのか。それに比べ私は・・・
白井先輩は、その隣の人に話しかけた。
「つつじちゃん、サックス・・・」
白井先輩が言い終わる前に、「つつじちゃん」と言われる人物は断った。
「ごめーん。見ての通り、売り切れなんだよね。」
「つつじちゃん」の周りに2人自分の同級生がいた。
もう一人は静かな文学少女といった感じの、『神野文花(かんのあやか)』で、アルトサックスを持っている。
もう一人は正直な性格のリーダー女子、『高見憐(たかみれん)』デ、テナーサックスを持っている。
「ああ、そうなんだ。じゃあ、クラリネットとフルート行こっか。」
白井先輩が部室を出ていくところに、『つつじちゃん』が言った。
「クラもフルートも人気みたいでさあ・・・」
「ああ、やっぱりそっか。うーん。待つのもヤダよね。・・・。どうする？空子ちゃん」
私は5秒ほど黙ってから、白井先輩も目にしっかり目を合わせて言った。
「あ、あの私、ユーフォの音が好きです」
前置きが長くなりましたが、以上の経緯がありまして、私佐島空子は晴れてユーフォ二アムパートになったわけです。
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おもちたろう - かなみんさん» 作者のおもちたろうといいます。かなみんさん、作品を読んでくださりありがとうございます。トランペット担当なんですね！かっこいいです！ (2017年8月21日 17時) (
レス) id: 560a5b69fc (このIDを非表示/違反報告)
かなみん - 私、吹奏楽部でトランペットを吹いているの (2017年8月21日 0時) (レス) id: d23cc83fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おもちたろう | 作成日時：2017年7月7日 20時
