そらとユーフォ二ウム

lamentabile ページ24

「いい感じ！今日は終わり！部長、挨拶！」

「はい！これで今日の部活動を終わりにします！お疲れ様でした！」

「お疲れ様でしたー！」


耀げな雰囲気の中、各自荷物を持って下校の準備。

私もリュックを持とうとすると、松浦先輩が声をかける。


「そらちゃん、今日当番だよ！」

「あっ」


当番の日だということを忘れていた。

当番は1年生・2年生・3年生から1人ずつ交代制で練習で使った部屋の掃除・施錠・記録を担当する。


「今日は私とそらちゃんと瑠理香ちゃんが当番。私ここやるから、そらちゃんはあっちのほうの教室やってて」

「分かりました」


教室の扉をガラガラ引く。

今日はいい感じに終わったので自主練する人は居ずもう全員帰ったものだと思っていたが、
中に白井先輩が一人、涙を流しながら練習していたのだ。


「・・・」


思わず後ずさりする。先輩のこんな表情は見たことがない。


「・・・そらちゃん、ごめんね。なんでもないよ。掃除は私が後でするから、やらなくていっ・・・」


泣きながらそう答える。言葉を発するたび、瞳から大粒の涙があふれる。


「・・・どうか、したんですか？」

「・・・コンクールが近づくたびに、なんだか怖くなってきちゃって・・・いつの間にか泣いてて・・・」


ポケットの中からハンカチを取り出し、先輩に渡す。


「ありがとう。・・・」

「・・・お疲れ様です」


私は教室を出ようとする。


「ねぇ、待って」


しかし、白井先輩は私を止めた。

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