calmando ページ12
因幡先輩が三上先生に納得できないと伝えようとすると、
鐵先輩は因幡先輩の言葉を遮って迷わずこう言った。
「私、もう辞めてもいいですか。」
勿論因幡先輩、山田先輩は驚いて、鐵先輩を止めた。
「はあ?!だからさあ!私が今!先生に言おうとしてんじゃん!あんたが出られないのは、納得いかないって!」
「今辞めるべきではない!」
しかし、鐵先輩はそうじゃないと首を横に振る。
「もう、楽しくないんです。吹くのが」
「じゃあなんで!あんたは5年もやってたんだよ!」
因幡先輩が鐵先輩の肩を掴んで、強く揺すぶって言う。
少し考えてから、再び口を開いた。
「・・・分からない。だから、踏ん切りがついたってこと」
先生が2人を止めて真ん中に入った。
「さくら本人が決めたんだもの、私にも、玲奈にもそれを止める資格はないのよ。・・・今、退部届を持ってくるから・・・あ、さくらも来て」
先生は2人の様子を伺いながら静かに職員室に向かった。
「・・・私は辞めないからな」
因幡先輩は睨みつけて言った。
「・・・私も、私と一緒に辞めてなんて言う資格はない」
代わって鐵先輩の表情は和らいでいた。先生のマネをした後、軽く鼻で笑った。
「じゃ。玲奈の事、応援してるから」
そう小さく呟いて、先生を追った。
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おもちたろう - かなみんさん» 作者のおもちたろうといいます。かなみんさん、作品を読んでくださりありがとうございます。トランペット担当なんですね!かっこいいです! (2017年8月21日 17時) (レス) id: 560a5b69fc (このIDを非表示/違反報告)
かなみん - 私、吹奏楽部でトランペットを吹いているの (2017年8月21日 0時) (レス) id: d23cc83fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもちたろう | 作成日時:2017年7月7日 20時