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気づいてた? ページ14

Aside





あれから、私は


レオくんとはあまり話すことなく


卒業式の日になった


校庭の木が綺麗な薄紅色に色づく


そして、ひらり、はらりと


桜の花びらが舞い散る


私の手には筒に入った


卒業証書が握られている


想いも伝えられずに


終わってしまった3年間


レオくんはきっと海外へ行くのだろう


貴「伝えたかったなぁ」


後悔が残る


私は大きな桜の木に手をつく


貴「懐かしいなぁ」


レオくんとはここで


色々なことを話したっけ


くだらないこと、どうでもいいこと


でもその時間が私にとっては


とっても大切で思い出の時間だ


貴「ここともお別れか…」


少し寂しいな


なんて思っていると


「あれ?A?」


声が聞こえて、私は振り向く


そこには


貴「レオくん…」


月永「やっぱりAだ!
うっちゅ〜!」


そこには私と同じように


卒業証書を手に持ったレオくんがいた


月永「こんな所で何してんだ?」


貴「え、あ、ちょっとね…!」


1人でレオくんとの


思い出に浸ってたなんて言えない


月永「そっか!」


貴「レオくんは?」


私は恐る恐る聞いてみる


月永「俺は思い出を見に来ただけ!」


貴「思い出?」


月永「Aとここで
沢山喋ったからな!」


だから沢山の思い出があるんだ!


とレオくんは私の隣で笑顔でそう言う


なんだ一緒だったのか


少し安心する


そして、お互い黙る


ただただ桜の木を眺める


そういえば、前もこんな場面あったっけ


あぁ中学の頃だ


あの時12センチの勇気がなくて


後悔したんだ


好きの一言を飲み込んじゃって


このままさよならなんて


できないよ


今ならこの想い言えるかな?


違うね。


言わなきゃ


貴「レオくん」


ダメだね


貴「好きだよ」


君は知ってたかな?


気づいてたかな?


そんなことを考えながら


レオくんの答えを待つ


桜の花弁がまた舞い散った。

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作者名:ちょこましゅまろ x他1人 | 作成日時:2019年12月28日 20時

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