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『かわいい〜！』
トントンの大きな手のひらにすっぽりと収まる小さな生き物。恐る恐る指先で頭を撫でるとペロペロと弱々しく舐められた。
人間界で言う猫となんら変わらない姿だが、よくよく見ると小さな羽が生えていて、私が知る一般的な猫とは違うようだ。
zm「うっかり爆殺するとこやった…」
ci「わぁ、かわええな念子〜！どっから入ってきたんやお前」
そう言って嬉々として私にならうように指先でちょこん、と耳に触れるチーノ先輩。だが、そんな彼に構うことなく小さく震えるネコの姿に違和感を覚えた。
『凄い弱ってる…』
tn「早く処置せなアカンな…」
私の言葉に肯定の意を込めて頷いたトントンは、そのままゾムの方へ指を指し、鬼気迫る表情で叫んだ。
tn「よしゾム！ちょっとお湯用意してきてくれへんか。なるべくたっぷり熱すぎひんぬるま湯で！！チーノはタオル持ってきてくれ！」
ci「イ、イエッサー！」
tn「俺は売店でミルクと食料調達してくるから、ショッピくんとAは──…」
てきぱきと指示を飛ばすトントン。
そんな彼に圧倒されゾムとチーノ先輩はそそくさ師団室から飛び出して行ったのだが、残った私たちを見てトントンはうーんと悩んだ後に、くるりとドアに向けていた体をこちらへ直した。
tn「念子ちゃんのお守り、頼むで」
shp「は？」
『！』
ぽす、と優しく手渡された小さなネコがショッピ先輩の手のひらに収まるのを目にしたところで、トントンは全速力で走り出した。
shp「え、ちょっと、トントンさん待っ」
tn「頼んだでショッピくん！A1人じゃさすがに不安やから！」
『え、』
tn「よし、急ぐぞトン！」
なんだか最後に余計なことを言われた気がするが、そんなことより弱ったネコちゃんだ。私はバックからハンドタオルを取り出し、震えるネコちゃんの体を優しく包んだ。
shp「チッ、1人と1匹の子守りなんてまたクソ面倒な…」
『聞こえてますからね先輩。ネコちゃん、ちょっとごめんね』
不貞腐れるショッピ先輩の小言を軽く流しながら、ネコちゃんの体をタオル越しに触って優しく擦る。これで少し体が暖まればいいんだけどな。
そう思いながらひたすら撫で続けると、ネコちゃんはゆっくりと舌を伸ばし、ペロペロと近くのショッピ先輩の手を舐め始めた。
『わ、可愛い！少し元気になったかな…って、ショッピ先輩？』
shp「……かわええな」
少しだけ頬を緩め発せられた彼の言葉に、私は思わず目を見開いた。
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ねむ - 連載時期からずっと読んでいました。今でもこの作品が1番大好きなのでいつか更新されたらいいな〜と思い読み返しています。続編いつまでもお待ちしています。 (2023年2月14日 5時) (
レス) id: 684d7a9448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆななぁ - この作品とっても好きです！続編楽しみにしています！！！ (2022年8月7日 21時) (レス) id: e0b9b0f844 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 海の幸さん» 随分と期間が空いたお返事になって申し訳ありません。またゆっくりと更新を再開していくつもりですので、お時間がある時にでもゆっくりとまた読んでやってください。コメントありがとうございました！ (2022年7月16日 9時) (レス) @page50 id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
海の幸(プロフ) - 初コメ失礼します。自分は語彙力が無いので上手く言葉に出来ませんが、この作品が本当に大好きだという事が伝われば幸いです。通知が来る度に、はしゃぎながら読んでいました。この作品を見つける事が出来てとても嬉しいです。お体ご自愛下さい。続編楽しみにしてます。 (2021年8月3日 16時) (レス) id: 773012e340 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - ルルーシュさん» 1番！？凄く嬉しいです…ありがとうございます！のろのろと本当におまたせしていただく形になってしまう更新ですが、これからも頑張っていこうと思います！改めてありがとうございました！ (2021年8月3日 16時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2021年3月11日 18時
