189 ページ19
師団披露の翌日。
色々と師団披露の疲れが溜まっているだろうに、わざわざ遠回りをしてサリバン邸に迎えに来るトントンに忍びないと思い、今日は予め別々で登校しようという話になった。どうやら入間君も私と同じ事を思ったらしく、アズ君やクララちゃんのお迎えを断ったとのことで、珍しく入間君と二人っきりの登校となった。
最近はお互いそれぞれの“オトモダチ”と一緒に登校していたため、なんだか久しぶりでちょっと緊張するな。あ、入間君も何だかいつもより早口で緊張してるのかな。
緊張で会話が途切れるも、なんだかんだ波長の合う私たち。暫く会話を続ければ緊張なんてなんのその。普段と同じようなまったりとした会話を楽しんだ。
トントンやトン君との登校も楽しいけど、やっぱりこうやってまったりと入間君と登校するのも…たまにはいいなぁ。
と、久しぶりの兄妹水入らずの平和な登校を楽しんでいたのだが、悪魔学校が近づくにつれ段々と居心地が悪くなってきて──
「イルマくーん！」
「おはよー！」
「あ、妹ちゃんだー！」
入「ど、どうも！」
『お、おはようございます』
「あはは！かわいー！」
先日の花火の一件で大注目の入間君。もとから目立っていた彼だが今回の件で更に注目度が高まったようで、いつも以上に生徒たちの視線が熱い。しかも何故か私まで。
私たちは真っ赤に染まった顔をカバンで隠しながらそそくさと人気の無い場所へと逃げた。
『す、凄い目立ってたね…私たち』
入「花火の一件で大注目されちゃったからなぁ…うぅ、もっと気をつけないと！もし僕たちが人間だってバレたら……一体どんな目に合うか分からないんだから…」
『…』
顔を真っ青にして冷や汗を流しながら発せられた彼の言葉に、私はそろ〜っと目を泳がせた。実は、おじいちゃんにはやんわりと伝えたが、入間君にはまだ私がトントンに人間だとバレた事を教えてない。
おじいちゃんから教えても教えなくてもいい、と言われたのだが。やはり、入間君に隠し事なんて私には出来ない。
言うなら、人のいない今が絶好のチャンス。
『あ、あの入間く…ンッ！？』
もふん。
綺麗な絹のようなふわふわの紅が、顔に当たった。
『あっ』
ｱﾒ「あっ」
入「あっ」
パッと顔を上げた先にいたのは、我らが悪魔学校を代表するアメリ生徒会長。どうやら先程顔にモフんと当たったのは彼女のふわふわの髪の毛だったようで。
入「アメリさん！」
ｱﾒ「おぉイルマか。Aも」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3433人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ねむ - 連載時期からずっと読んでいました。今でもこの作品が1番大好きなのでいつか更新されたらいいな〜と思い読み返しています。続編いつまでもお待ちしています。 (2023年2月14日 5時) (
レス) id: 684d7a9448 (このIDを非表示/違反報告)
ゆななぁ - この作品とっても好きです！続編楽しみにしています！！！ (2022年8月7日 21時) (レス) id: e0b9b0f844 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 海の幸さん» 随分と期間が空いたお返事になって申し訳ありません。またゆっくりと更新を再開していくつもりですので、お時間がある時にでもゆっくりとまた読んでやってください。コメントありがとうございました！ (2022年7月16日 9時) (レス) @page50 id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
海の幸(プロフ) - 初コメ失礼します。自分は語彙力が無いので上手く言葉に出来ませんが、この作品が本当に大好きだという事が伝われば幸いです。通知が来る度に、はしゃぎながら読んでいました。この作品を見つける事が出来てとても嬉しいです。お体ご自愛下さい。続編楽しみにしてます。 (2021年8月3日 16時) (レス) id: 773012e340 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - ルルーシュさん» 1番！？凄く嬉しいです…ありがとうございます！のろのろと本当におまたせしていただく形になってしまう更新ですが、これからも頑張っていこうと思います！改めてありがとうございました！ (2021年8月3日 16時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蛇狐
| 作成日時：2021年3月11日 18時
