episode54 ページ7
「おいしい…おいしいです！」
ｵﾌﾟ「ふふ、それは良かった」
ぱくぱくと色々なケーキを口に運ぶ私を微笑ましそうに見つめるオプロイテさんと紫さん。そんな二人に首を傾げると、オプロイテさんはくすくす笑いながら私の鼻先を紙ナプキンで拭った。
ｵﾌﾟ「クリームついてますよ」
「す、すみません…ありがとうございます……」
少々柄にもなくはしゃぎすぎた…
子供のような痴態に顔を赤くしながら、大人しく隣にあったショートケーキと呼ばれるものを口に運ぶと、ふと、懐かしさが込み上げてきた。
──懐かしい？初めて食べたはずなのに？
──昔食べた？一体どこで…？
悶々と湧き上がる疑問の嵐に私はフォークを口にしたまま固まる。そんな私を不思議な視線を送る二人に気づき、私は何事も無かったかのように次のケーキへとフォークを運んだ。
多分、気のせいだ。
でも何でだろう、あのケーキを食べた時、私は無性に泣きたくなった。
・
・
・
「ふぅー、美味しかった〜」
ｵﾌﾟ「沢山食べたわね」
紫「ふふ、今度はパフェにチャレンジしようね！」
「はい！」
ケーキで膨れたお腹を擦りながら満足気に椅子の背もたれに体を預けていると、遠くの席が何やら騒がしい事に気がついた。
オプロイテさんも気づいたのか、眉間に皺を寄せてそちらへと顔を向けた。
白衣を着た背の高い男の腰にしがみつく鬱さん。
そんな異様な光景がそこには広がっていた。
白衣の男は独特な狐面を被り、こちらの方へ目をやると鬱さんを引き摺りながらズンズンと近づいてきた。
紫「うわ、またやってる」
ｵﾌﾟ「多分Aさん、クラレ先生はあなたに用があるみたいですよ」
「わ、私ですか！？」
自信を指さし驚く私に、紫さんとオプロイテさんの二人は真顔でうんうんと頷いた。
呆気に取られぽけーと見ているとクラレ先生はいつの間にかに目と鼻の先の距離へ。
ジッと仮面越しに観察するように見つめられ私は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。
kr「A…」
「は、はい！」
低く、小さく、ポツリと呟かれた私の名前。反射的に顔を上げて返事をすると、突然の浮遊感が私を包み込んだ。
「へ？」
両脇を抱えられ天高く持ち上げられる──所謂高い高いをされた私は今、とても間抜けな顔をしているだろう。そんな間抜けな私にクラレ先生は嬉しそうに笑った。
kr「やっと、やっと見つけた！」
…
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
