episode70 ページ23
「……ロボロさん？」
zm「おま、んふふｯ、……トントンぶち切れ案件になってもうたなぁ」
ci「あんのクソチビが〜ｯ！」
「いや100%チーノが悪いでしょ」
絶対あいつの旋毛押してやる！と随分と小さな仕返しを宣言しながら早足で去っていったチーノを見送り、私はゾムに向き直る。
「見た感じ監視カメラとかそういうのないんだけど……ロボロさんは一体どこから見てるの？」
zm「ん？ああ…ここやで」
そう言って指したのは壁。何も無いじゃんと彼に視線を送ると、楽しそうに顔を歪めてコンコンと壁を指で叩いた。
「？……あ、」
zm「超小型カメラやで。凄いやろ」
よくよく見てやっと確認できるサイズの小さなカメラ。壁の装飾の間の隙間に設置されたソレは言われて始めて気がつくぐらい壁に溶け込んでいて、思わず感嘆の声が漏れる。
「凄い技術…」
zm「これ発案したのロボロなんやけど、あいつこういう、ちまいもの作るの上手いんよ。ほら、このインカムもロボロ発案で作られたもんなんやで」
トン、トン、と自身の耳に付けられたものを叩くゾム。このサイズでこれだけのものが作れるなんて…凄い！！
「是非とも分解したい！ちょっと貸して！」
zm「は？だ、ダメや！これちょっと壊しただけでも凄いロボロ怒るから分解なんて絶対アカン！！」
前科があるのか、顔面蒼白にして耳を抑えてジリジリと下がるゾム。残念。
がっくりと項垂れる私を見て何を思ったか、目の前の緑の彼はしどろもどろになりながら小さく「A…」と名前を呼んだ。
zm「えと…分解はアカンと思うけど、ロボロに言ったら設計図とか昔の試作品とかは見せてくれるかもしれへんで」
「本当！？」
彼の言葉に私はパッと顔を上げる。
この小型化の技術を上手く使えば、色々と道が広がるかもしれない。
ゾムの腕を掴みガクガク揺さぶると、彼も何故か嬉しそうな顔をしながら「おん！」と自信満々に答えた。
zm「インカムとかはそのうちAにも配給されると思うけど、あとでロボロに色々聞いてみるわ！」
やったぁ、と柄にもなく顔を輝かせて彼に感謝を述べ、脳内に今まで技術不足で不可能と破棄してきた設計図を思い浮かべる。
部屋に戻ったら忘れぬうちに書き出しておかなきゃ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 947人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
