episode69 ページ22
zm「あー、なるほどな……ミカエルと会ったんやな」
「あの子ミカエルっていうんだ」
あまり神話には詳しくないのだが、確かなんかの宗教で有名な天使の名前だった気がする。
少し長めのサラサラとしたブロンドの髪に幼いながらに整ったあの顔は、確かに天使と言われてしまえば納得してしまうかもしれない。
zm「あいつもあいつで色々複雑なんよ。結構生意気かもしれへんけど根は真面目でええやつだから…」
「多感なお年頃ってやつ？」
zm「まあ……それもあるんやけど…」
「？」
ガシガシと乱暴に自分の頭を掻きながら、あー、だの、うー、だの唸る彼に首を傾げつつ、先程少年が去っていった方へと目を向ける。
zm「最初はちょっと取っ付き難いかもしれへんけど、アイツの事よろしくな」
「うん」
よろしくしない宣言をされたんだけどね。
まあ、これからのことを考えると何とかしてあの子……いや技術部の人達に認めてもらわないといけないし……
それに
「ゾムたちにも仲間って認めて貰えるよう頑張るね」
zm「ひひっ、楽しみにしとるよ」
ゾムはその大きな手でまるで犬の相手をしているかのようなに私の頭をわしゃわしゃと撫でた。じんわりと広がる温かさに自然と顔がほころぶ。
ci「朝っぱらから楽しそうで」
zm「あれ？チーノ今日シッマのとこ参加する言うてへんかった？」
ci「おん、すっかり忘れとって今さっきロボロに起こされたとこ〜」
ふぁ、と大きな口を開けて欠伸をしながら現れたのはチーノで、ぴょんぴょんと無造作に跳ね上がった髪の毛を手で押えて少し機嫌が悪いように感じる。
「急がなくていいの？」
ci「ええねんええねん。どうせ俺がおらんくても勝手に進んどるから」
「ロシフ軍だったら完璧に風穴空いてたね」
ci「こっわ。あー、俺この軍でよかったー」
「この人よく潜入して殺されなかったな」
確かに、と目に涙を浮かべて笑うチーノだが…君今遅刻中なんだよね？急がなくていいの？
普通に居座ろうとする彼に混乱していると、ピンポンパンポーンという音が廊下……いや、この城全体に響き渡った。
何事だとゾムやチーノを見ると、一人は愉快そうに顔を歪め、もう一人は苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
『B棟3階廊下にいるチーノ。なんのために起こしてやったと思っとんねんｯ！！さっさと訓練場に行けやアホｯｯ！！！』
ブツン、と切れた放送に合わせて、ゾムの独特な笑い声が廊下に響き渡った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 948人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
