episode84 ページ37
動かぬ標的を無心で撃ち続ける。やはり久しぶりの射撃とあってか中々思い通りの射撃が出来ない。今度鬱さんにお願いして訓練に混ざろうかな。
なんて事を考えながらボーとしていると、ある違和感を覚える。
あれ、なんか──
ざわりと騒ぐ胸に、私は射撃の手を止めて耳あてを少しズラした。
ガンガンと頭に響く銃声に顔を顰めながら近くで射撃を続ける四人へ目を向ける。
「やっぱり、どれか音がおかしい」
どれだ、どの銃だ。
じっと目を凝らし一つ一つ確認し、ある人物を観察し始めたところで目を見開く。
他より高い威力、違和感のある音、強い反動。視認できないベントホール。
──そして、微かにだが膨張した銃の腹。
「ミカエルッ！今すぐ銃を捨てろ！！」
どんなに声をはりあげても銃声によって掻き消され、届かない。
私は軽く舌打ちをして銃を投げ捨て、彼の元へ駆け出した。
早く、早く。早くしなければ大変な事になる。ミカエル自身も違和感を感じたのか、銃を撃つてを止めて不思議そうに自信が手に持つ銃を覗き込む。
「ばかッ！！」
そう言ってミカエルを抱き抱えるや否や、一瞬の激しい光と熱く重い空気が私とミカエルを襲う。
破裂するような、そんな激しい音を耳あてなしに直で受けた私に頭を鈍器で殴られたような衝撃が襲う。目眩、吐き気。それを堪えて呆然と自身の腕の中で震える小さな彼を怒鳴りつける。
「何やってるんだッ！なんでガスの逃げ道を作らなかったんだ！言っただろ大変なことになるってッ！！」
ﾐｶ「……ぁ」
抱きしめる腕を解き、彼に怪我が無いか確認する。銃を持っていた両手が酷く焼けただれていたが、その他にこれといった外傷はなくホッと胸を撫で下ろす。そこまで大きな暴発ではなかったようで左右隣にいた部下たちに被害は無く、安堵のため息を吐き出した。
「はー、良かった。これで分かったでしょ、ガスを溜め込んだら危険だっ……って、え！？ど、どど、どうしたのミカエル！？手痛い！？」
ﾐｶ「ごめ、」
ぼろぼろと大粒の涙を流して弱々しく私へ手を伸ばすミカエルに私は目を見開く。
目を釣りあげ、睨む姿しか知らない私はそんなミカエルに慌てふためく事しか出来ず、取り敢えず作業着の裾で彼の涙を拭ってやる。
ut「Aちゃんッ、頭！」
shp「誰かタオルか水持ってきて！」
「へ？」
慌てて駆け寄ってきた彼らの言葉に顔を上げると、ポタリ、と温かい何かが顔を伝って地面を赤く染めた。
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蛇狐(プロフ) - #ゆー@金欠民族さん» ありがとうございます！自分のペースで頑張っていきます！ (2020年12月11日 16時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
#ゆー@金欠民族 - 後編決定おめでとうございます！！ばちくそにおもろいです！！ ゆっくり、ゆっくりでいいんで続き待ってます！！ これからも頑張ってください！！ (2020年12月10日 20時) (レス) id: 3046ae6781 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 妖々 梅雨里さん» 仕事の都合上、更新するペースはまちまちになってしまうと思いますが、頑張ります！ (2020年9月12日 21時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
妖々 梅雨里 - 更新ゆっくりと頑張ってくださいね〜無理をしたらちょっと……ね〜。 (2020年9月12日 12時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - アズライト@pitterさん» ありがとうございます！これからもビシバシと物語を進めていきます！ (2020年8月20日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月19日 8時
