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tn｢……ほーん、誘惑授業の課題なぁ、｣
『大変申し訳ございませんでした』
あの後沈黙に耐えれなかった私はわけを話し、今は下校途中の木陰で未だ人間寄りの姿のトントン君と二人して正座で向かい合っていた。
まだ少しだけ耳が赤いトントン君におずおずと課題プリントを差し出すと、それ手に取った彼は重い溜息を吐いた。
tn｢で、俺はこれにAちゃんのさっきの評価すればええんやな。せめてやるなら事前に言ってくれへんか｣
『いや言ったら意味ないって言われたから…』
tn｢随分と難儀な授業を選択してもうたみたいやなぁ。これから大変やな｣
『うっ……憂鬱で仕方がない』
彼の言葉で、ずん、と気が重くなる。初歩の初歩でこれって本当に憂鬱。というか私に男を誘惑って向いて無さすぎる。
しゅん、と肩を落とす私を見たトントン君は正座を崩して楽に胡座をかくと、頬をつきながらどことなく真剣な表情で｢Aちゃん｣と口を開いた。
tn｢この課題って俺以外にもやるん？｣
『いや、最低一人だからこれ以上はいいかなって』
tn｢これからこういう課題が出たら俺だけにしてな。絶対俺以外にやったらアカンよ｣
『え、なんで？』
tn｢最近色んな悪魔と交流して慢心しとるかもしれへんけど、Aちゃんは人間なんやで？不用意な接触で万が一があるかもしれへんやん｣
トントン君の言葉でぴしゃん！と雷に打たれたような衝撃が走る。決して忘れていたわけじゃないけど盲点だった。忘れてたわけじゃないけど。
悪魔はただでさえ鼻が利くのだが、トントン君のような特に鼻の利く悪魔はしっかりと香水で人間の匂いを消しても、微かに匂うことがあるそうで…そう考えるとこのトントン君の提案は凄く有難い。
『じゃあ、課題ある時は付き合って貰っていい？』
tn｢ええけどほんま事前に言ってな｣
『あの、それじゃ意味が…』
私は申し訳なく思いながらも頭を下げると、彼はどこかホッとしたような安心したような、そんな表情を浮かべ、わしゃわしゃ、といつものように私の頭を撫でた。
そんな私たちの様子を近くで静かに見守っていたトン君は｢話が終わったか！｣とでも言いたげに、プギュプギュと周りをぐるぐる飛び始めたので、私たちは立ち上がって帰路についた。
あ、そういえばクララちゃんはうまくいったのかな。
────
クララちゃんの奮闘は是非入間くん本編17話を読んでみてください。誘惑授業派生の話はprivatterにそのうち載せます。
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蛇狐(プロフ) - 椿さん» ご指摘ありがとうございます！予測変換で表記がおかしくなってしまったのかもしれないです。教えてくださりありがとうございます！ (2021年1月3日 19時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 悪魔周期じゃなくて悪周期じゃありませんでしたっけ (2021年1月3日 18時) (レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - もえさん» ほんとだ！ご指摘ありがとうございます！！ (2021年1月3日 8時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 122の「たまに学校におる若い教師」がshaではなくrdになってます！(小声) (2021年1月1日 9時) (レス) id: 9b854a058e (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - sakuyo1122さん» 初めまして、コメントありがとうございます！頑張ります！ (2020年12月8日 1時) (レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年8月13日 17時
