─番外編─ ページ46
gr「それでだな、あの時は実に面白かった。混沌と化した処刑玉砲の試験。素晴らしい戦場だった」
『は、はは…凄いですね』
紅茶を優雅にすすり、大きな口にお菓子をポイポイと投げ込みながら楽しそうに話すグルッペン団長に曖昧な相槌を交わす。
グルッペン団長が入れてくれた紅茶はすっと喉を通る優しい味で、オペラさんが用意してくれたお菓子にとても良く合った。
gr「Aのおかげで随分有意義なティータイムだった。お礼と言っては何だが…ほら、これも食べてみろ。凄く美味いゾ」
『んむッ』
口にズボッと突っ込まれた何かをもぐもぐと噛み締めると、ふわりと広がる強い甘さに思わずゆるむ頬を抑えた。
『！』
gr「ははッ、美味いだろ！」
『はい！凄く甘くて美味しいです！』
gr「これは魔カロンと言ってな、最近人気の菓子で……ほら、まだまだ沢山あるからもっと食べなさい」
『んぐ』
あーんと言ってポイポイ私の口に魔カロンを突っ込むグルッペン団長。
なんだろう、なんか雛の餌付けみたいだな
そんな事を思っても美味しいものには勝てない。私は素直に口を開けて次々と魔カロンを口に放り込んでもらった。
gr「ほら、最後の一個」
『むぐ………ふぅ、ありがとうございました、ご馳走様でした』
gr「いや、いい食べっぷりで見てて楽しかったゾ」
彼はそう言ってくしゃりと私の頭を撫でると、立ち上がって私の手を引いた。
gr「さて、どうせアイツらが待ってるんだろ？お前の教室まで送ってってやる」
『え、いやいや流石にそこまで…』
gr「ククッ、また食べられかけたらどうするんだ？」
『………』
これは…もしや揶揄われているのか？
ニヤニヤと笑うグルッペン団長に困惑していると無言を肯定と受け取ったのか、彼は「いくぞ」と手を引いた。
gr「団員を守るのも団長の務めだからな」
『ありがとうございます？』
gr「礼には及ばん」
甘いものが好きだったり、なにかと冗談を言ったり、グルッペン団長の子供っぽい意外な一面を発見した今回。
少しは…仲良くなれたのかな？
そんな心を見透かすように、彼はニヤリと笑って「A」と名前を呼んだ。
gr「これからもよろしく頼むぞ」
『はい！』
これからもオペラさんに頼んで、たまにグルッペン団長とお菓子を食べるのも悪くないかな…
そんな事を思うも、後日、特待生が先輩を侍らせているという噂が流れた為、グルッペン団長と少し距離を置いたのは、また別の話──
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1939人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天谷(プロフ) - 甲殻類様のイラストめったゃ好きです小説も面白いです頑張ってください (2021年4月27日 22時) (携帯から) (
レス) id: 598bb1266d (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 涼さん» お、お恥ずかしい……！ご指摘ありがとうございます！下手に馬鹿を晒さずに済みました…笑 ありがとうございます！別の方がもう少し落ち着いたらこちらとバランスよく更新していく予定ですので、もう暫し待っていただければ幸いです。 (2020年8月12日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 続編もすごく楽しみながら読ませて頂いてます…！72話の部分で『ちんとんかん』と書かれていますが、正しくは『頓珍漢(とんちんかん)』だと思います！細かいところをいちいち、すみせん…！無理のないように、自分のペースで更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2020年8月11日 21時) (レス) id: 5cac8d186e (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - ゆきなさん» 魔ｄ！原作がまだバトラパーティーなので何とも言えませんが...是非イルミちゃんと夢主ちゃんとで一緒に躍らせたいですね..！有難うございます、ちょっと性癖詰めましたｗ (2020年8月9日 19時) (レス) id: ba8f57988d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 推しが尊い…ｱｸﾄﾞﾙの時どうなるかな？zmさんが横抱きにして血を吸う？所がなんかﾆﾔﾆﾔしました！ (2020年8月9日 4時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年6月9日 21時
