─番外編─ ページ45
『うぅ…やっぱりトントン君連れてくればよかった……』
うろうろと師団室の前をうろつくこと実に30分。私はそんな言葉と共にため息を漏らして項垂れた。
あの日、トントン君に食べられかけた日に助けてもらった命の恩人…グルッペン団長。
オペラさんに事情を話し、お菓子の詰め合わせを作ってもらいそれをグルッペン団長に渡そうと思ったのだが……
『ダメだ…緊張する……』
あのオーラにあの顔にあの性格。
魔王の言葉を具現化したと言っても過言ではない彼と二人きりとなると、どうしても緊張してしまい師団室の中へはいることが出来ない。
あー、うー、とお菓子の箱を握りしめていると、ガチャりと言う音と共に扉がゆっくりと開いた。
gr「さっきから何をしてるんだ？お前も師団の仲間なのだから普通に入ってくればいいだろう」
『ﾋｨ……こ、ここ、こんにちは団長…し、失礼しましゅ…』
バレていた。そして噛んでしまった。
自分の痴態に恥ずかしさで死にたくなりながら、私はグルッペン団長に促されるまま部屋の中へと足を踏み入れた。
前に来た時と変わらない埃だらけの汚い部屋。誰が貼ったか分からないナイスバディなお姉さんのポスターや不思議なイラストのポスターを眺めながら、私はグルッペン団長の後ろを着いていった。
gr「で、今日は一体どうしたのかね。トントンはどうした？A一人でここへ来るなんて珍しいじゃないか」
いきなり聞こえた地を震わす低い低音にビクリと肩を揺らしながら、私はおずおずとグルッペン団長へお菓子の詰め合わせを渡す。
『以前助けてもらったお礼がまだだったので……あの時はありがとうございました』
gr「……ほぅ！随分と豪華やないか！」
初めて聞くグルッペン団長の砕けた言葉に思わず「へ？」と声が漏れた。心做しかいつもより声も高い。
喜んで……貰えたのかな…？
ほっ、と胸を撫で下ろし、グルッペン団長に向き直る。
『執事に頼んで作ってもらいました。何がお好きか分からなかったので、取り敢えず執事のおすすめを詰め合わせたみたいです』
gr「素晴らしい……実に素晴らしい…！」
喜んでる……これは喜んでる…！
団長も満足していた抱いた事だし、私はここで失礼させてもらおう。
そう思って「失礼しました」と部屋を出ようとすると
ガシ
gr「良い紅茶を手に入れたんだ。どうだ、一緒に食わんか？」
私の手を掴んでそんな事を言う団長に、私は素直に頷く事しか出来なかった。
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天谷(プロフ) - 甲殻類様のイラストめったゃ好きです小説も面白いです頑張ってください (2021年4月27日 22時) (携帯から) (
レス) id: 598bb1266d (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 涼さん» お、お恥ずかしい……！ご指摘ありがとうございます！下手に馬鹿を晒さずに済みました…笑 ありがとうございます！別の方がもう少し落ち着いたらこちらとバランスよく更新していく予定ですので、もう暫し待っていただければ幸いです。 (2020年8月12日 0時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 続編もすごく楽しみながら読ませて頂いてます…！72話の部分で『ちんとんかん』と書かれていますが、正しくは『頓珍漢(とんちんかん)』だと思います！細かいところをいちいち、すみせん…！無理のないように、自分のペースで更新頑張ってください！楽しみにしています！ (2020年8月11日 21時) (レス) id: 5cac8d186e (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - ゆきなさん» 魔ｄ！原作がまだバトラパーティーなので何とも言えませんが...是非イルミちゃんと夢主ちゃんとで一緒に躍らせたいですね..！有難うございます、ちょっと性癖詰めましたｗ (2020年8月9日 19時) (レス) id: ba8f57988d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 推しが尊い…ｱｸﾄﾞﾙの時どうなるかな？zmさんが横抱きにして血を吸う？所がなんかﾆﾔﾆﾔしました！ (2020年8月9日 4時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年6月9日 21時
