episode35 ページ36
ut「えーなんか面白いことになっとるやん。てか、トンち…チーノ虐めんといてや」
ci「兄さん……ッ！！」
ぷかぷかと煙草を吹かせながら、ショッピとそれぞれの補佐官を引き連れて現れた大先生は、ケラケラと楽しそうに笑うと眉を下げてそう言った。
そんな彼にキラキラと目を輝かせて、嬉しそうなチーノも次の大先生の言葉で地に落とされた。
ut「まぁ、でもチーノなら別にええか」
ci「兄さんッ！？」
kn「見とったかスパルタクス。あれが軍団の闇や」
ｽﾊﾟ「は、はぁ…」
腕を組みうんうんと頷くコネシマと困ったような返事をするスパルタクスたちを横目に、俺は目の前で項垂れるチーノを見た。
……なんか、いたたまれないな。
俺は哀れみの意味を込めて、チーノの肩にポンと手を置いた。
tn「今日は見逃したる」
ci「優しさが辛い……」
しくしく泣くチーノを取り敢えず彼の補佐官に任せて、俺は定位置となったテーブルの前へと車椅子を止めた。
テーブルの上に運ばれる料理に合わせて増えていく幹部や補佐官をぼぅ、と眺めながら全員が揃うのを待った。
料理が揃い一番最後に入ってきたひとらんとオスマンが席に着いたタイミングで、グルッペンの掛け声の元それぞれが信仰する宗教の祈りを捧げて食事へと手を伸ばした。
sha「なぁ、トントン。さっきは、ああ言っとったけど実際のところどうなん？ほんまにそういう感情はないんか？」
tn「ぶふっ」
gr「おわ！トン氏服にかかってもうたやないか！」
新鮮な魚介類を使った濃厚なスープを味わっていると、突然シャオロンが身を乗り出してそんなことを聞いてきた。
俺は思わず顔を背け飲んでいたものをグルッペンへ向けて吹き出してしまった。
tn「ゲホッゲホッ……ん゛ンッ！……はぁ、だから何度も言うとるやろ、俺らはそんなんやないって。大事って言っても……そうやな、“家族”みたいなもんやな」
一人うんうん頷いていると、周りから沢山の溜息が聞こえてきた。
shp「なんというか…その、流石ですねトントンさん！」
半笑いでぐっと親指を立てたショッピ君に眉を顰めていると、隣のオスマンがじーっと俺の顔へと視線を飛ばしているのに気がついた。
ずっと注がれるオスマンからの視線に耐えられず、「なんや」と俺はオスマンへと顔を向ける。
os「んふ、なんでもないで」
目を薄らと開き、意味深な笑みを見せたオスマンは何事も無かったかのように食事を再開させたのだった。
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蛇狐(プロフ) - イチゴダイスキさん» へへへ、ありがとうございます！(神様では)ないです。 (2020年12月13日 15時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴダイスキ - え？え？え？神様ですか？そうですね？なんでこんな神作品作れるですか！！もう無理好キィ(鼻血) (2020年12月12日 20時) (レス) id: f02fd4c99a (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - ゼネヴァンスさん» ありがとうございます！これからも隻脚をどうぞ宜しくお願いします！v (2020年8月10日 1時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
ゼネヴァンス(プロフ) - お気に入り1000人以上になりましたね！！！おめでとうございますっ！！！！ (2020年8月10日 0時) (レス) id: d6da2f5e2e (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 紗稀さん» ひぇ……とてもありがたいお言葉ありがとうございます！読者さんや相互さんのお陰で成り立ってるようなものなので……笑 頑張って更新していきます！v (2020年8月9日 23時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年7月29日 17時
