episode16 ページ16
案内されたグルッペン総統の執務室。そこの高級そうなソファに座らせられた。
グルッペン総統は例の仲間を連れてくるとの事で途中で別れた。
オスマン外交官は勝手に棚を漁りティーカップに紅茶を注ぎ始め、チーノは「鬱兄さんとロボロの所へ行ってくる」という言葉を残してふらふらと部屋を出ていってしまった。
カチャカチャと音がし、それに合わせるようにオスマン外交官の鼻歌が聞こえてくる。
os「Aちゃんは紅茶何好き？アールグレイとかダージリンとか色々あるめぅ〜」
ぽんぽんと出される単語に私は首を捻る。紅茶なんてロシフ国ではそうそう飲めるものではなかった。昔タミーラがくすねてきた甘い香りのいい紅茶を飲んだだけで、オスマン外交官の言葉にどう返していいのか分からなかった。
黙りこくった私を見て察したオスマン外交官は、甘いのと甘くないのどっちがええ？と優しく聞いた。
「甘いのが…いいです」
os「了解しためぅ〜」
めぅめぅと上機嫌で手際よく準備をするオスマン外交官。
白い綺麗なティーポットに数種類の茶葉を混ぜ、とぽとぽとお湯を注ぐと途端にふわりと香るフルーツの甘い匂いに思わず顔がほころんだ。
os「我々国は交易が盛んやから美味しい食べ物とか甘いお菓子とか色々あるから暇な時とに港町にお出かけしてみるとええで」
甘いお菓子。
その言葉に思わずピンと背筋を伸ばして反応するとオスマン外交官は可笑しそうにクスクスと笑った。
os「はい出来た。アイツらの分は後ででええか、冷めないうちに先に飲んじゃお」
そう言って私の目の前にカチャリとカップを置くとオスマン外交官は私の目の前に座って優雅にカップに口をつけた。
私も彼にならうようにカップを手に持ちゆっくりと口をつけた。
「あちッ」
os「ありゃ、少し冷ましたんやけどAちゃん猫舌なんやな。ごめんな危ないからふーふーして飲んでな」
ひりひりする舌を奥にひっこめ、私は黄金色に輝く紅茶にふぅと数回息を吹きかけ改めて口に入れた。
「…！凄く美味しいです！」
os「ふふ、お気に召したようで何よりやわ」
口に含んだ時にふわりと香る柑橘系の香りや口いっぱいに広がるフルーティーな味わいに思わず「ほぅ」と息が盛れた。
暫く夢中になって目の前の紅茶を飲み続けていると、執務室のドアの外から言い合うようなそんな声が聞こえてくる。
じっとドアへ目を向けているとオスマン外交官は嬉しそうに呟いた。
os「んふ、やっと来た」
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蛇狐(プロフ) - イチゴダイスキさん» へへへ、ありがとうございます！(神様では)ないです。 (2020年12月13日 15時) (
レス) id: 6f471a4801 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴダイスキ - え？え？え？神様ですか？そうですね？なんでこんな神作品作れるですか！！もう無理好キィ(鼻血) (2020年12月12日 20時) (レス) id: f02fd4c99a (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - ゼネヴァンスさん» ありがとうございます！これからも隻脚をどうぞ宜しくお願いします！v (2020年8月10日 1時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
ゼネヴァンス(プロフ) - お気に入り1000人以上になりましたね！！！おめでとうございますっ！！！！ (2020年8月10日 0時) (レス) id: d6da2f5e2e (このIDを非表示/違反報告)
蛇狐(プロフ) - 紗稀さん» ひぇ……とてもありがたいお言葉ありがとうございます！読者さんや相互さんのお陰で成り立ってるようなものなので……笑 頑張って更新していきます！v (2020年8月9日 23時) (レス) id: a06b5d42fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛇狐
| 作成日時：2020年7月29日 17時
