【鬼滅の刃】声が出せない女の子

「だから嫌われるんですよ」 ページ12

冨「A、ちょっと･･･」

「？」

冨岡さんが手招きしている。

冨「お前は全集中の呼吸が使えるのか？」

「？？？」

急に何を言い出すんだろう。全集中の呼吸･･･なんだろう、聞き覚えはあるんだけどなぁ。
思い出せない。
頭の中に、薄くもやがかかっているみたいだ。

「･･･」

よく分からないから、とりあえず首を横に振っておいた。

冨「本当か？」

「！？」

ガシッと肩を掴まれる。待って待って、この人ちょっと怖いかもしれない。

し「･･･何をやっているんですか冨岡さん？」

しのぶさん･･･ちょっと怖いです。笑顔が、なんか怖いです。

冨「本人に確認していただけだが」

し「Aちゃん明らかに怖がっているじゃないですか。ほら、だから冨岡さんは嫌われるんですよ」

冨「･･･俺は、嫌われていない」

炭治郎さんと善逸さんが衝撃を受けたような表情をした。

･･･えっと。これって、どちらの味方をするべきなんだろう。
お世話をしてくれるしのぶさん？それとも、さっき助けてくれた冨岡さん？
少し悩んだ後、私はサラサラ、と紙に文字を書く。

[嫌いではありませんよ、私を助けてくださった恩人ですし]
ただまぁ、ちょっとだけ怖いけれど。

富「･･･ほらな」

し「嫌いではない、と言っているだけであって好きとは言ってませんけどね」

勝ち誇る冨岡さんとさらに笑みを深めるしのぶさん。
やっぱり、しのぶさん怒ってませんか･･･？

し「･･･まぁ良いです。今日の夕飯は天ぷらですよー」

伊「！！！」

天ぷらか。お母さんが忙しかったからあんまり食べた事ないな。
でも美味しそうだよね、匂いとか見た目とか。
それにしても、なんで伊之助さんはあんなに反応したんだろう。天ぷら好きなのかな。

いただきます、と口を動かして天ぷらを頂く。

「･･･！」

サクサクだ。
固すぎず柔らかすぎず、ちょうどいい食べ応えがある。

「･･････」

伊「･･･あ？いつの間に･･･」

「！」

まずい。
天ぷら･･･結構食べてしまった。

伊「お前食ったのか？」

「･･･」

恐る恐る頷く。
もしかしてこれは、ちょっと怒られる感じかな･･･？


･･･すみませんでした、でも天ぷら美味しいんですよ。
特にえび天が。

伊「美味いから仕方ねぇな･･･」

･･･どうやら伊之助さんは許してくれたようだ。次は気をつけます。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
お気に入り登録者さん80人突破ありがとうございます！

そして始まる(謎の)戦い→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す