瓜二つ【ゴールデンカムイ】 (ページ49)

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暴れ馬ページ49

あの後は医務室にあるベッドで眠り、一日を終えた。

｢おい、起きろ、おい！！｣

寝起きが悪い私は反抗したが、胸ぐらをガシッと捕まれ夢では無いことに気づき、目を開けると前に私を銃で脅していたあの男が私のベッドに乗り、私のことを跨ぎながら
ぴょんぴょんと飛んでいる。何だこの男、普通じゃない。

宇佐美｢お前がようやく駒になったかと思えば、次は記憶をなくしてまた駒から抜け出そうとしやがって、クソッタレ！！クソッタレ！！｣

｢駒！？｣

宇佐美｢こっちは全部知ってるんだよ！お前が駒から抜け出そうとしたことをな！！｣

｢いや、抜け出そうとなんて、｣

宇佐美｢いいか？お前はいくら頑張っても鶴見中尉殿の一番にはなれない。いくら身体を使おうが一番は無理だ。お前は一生ただの駒なんだよ！！！｣

何を言っているのかサッパリだ。駒とか、鶴見中尉とか、

｢まず誰ですか？！｣

宇佐美｢…宇佐美時重。｣

｢宇佐美さん。私は鶴見中尉のことなんて｣

宇佐美｢お前が鶴見中尉殿の事を喋るな！！！お前に鶴見中尉殿の何がわかる？おい！｣

目覚めてからずっと胸ぐらを掴まれ、頭をグラグラと揺らされ朝から気持ちが悪い。私が何か言う度にこの男が一言挟んでくるので会話が成り立たない。

以前の私はどのようにこの暴れ馬を鎮させていたのか、

宇佐美｢…まあいい。せいぜい鶴見中尉殿の駒として頑張るんだな。｣
と呟きそそくさと医務室から出ていった。何だったんだあれは、

その日から毎日、午前四時程に宇佐美が起こしに来るようになった。迷惑極まりない。

尾形の事を心配しつつも、今はここの情報を集めることに集中することにした。
きっと脱走は先の先だ。