日露戦争 ページ5
日露戦争前
4年後
鯉登は陸軍学校を卒業。A は正式に軍医となった。
広島弁はあまり口にしなくなったが、咄嗟に出てしまうようだ。辞めた理由は鶴見中尉に聞き取れないと困らせてしまうから。それと軍が方言を禁止し、標準語を定着させるようにと命令があったからだ。
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日露戦争、野戦病院にて。
負傷者が多すぎて応急処置にも間に合わない状況になっている。死人も運ばれてくるが、今の私たちには外に投げることしか出来ない。
――
あの傷だらけの男。どうやら不死身と呼ばれているようで、生身でロシアの壕に突っ込んだらしい。
それでこの怪我、これは不死身だ。
どれだけ脱脂綿で傷口を覆っても止まらない血。
ただの穴の医務室には悪臭が放っていた。それも母と同じ匂い。
私は無事に帰ってこれたがまだ終わりでは無い。
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医務室
日露戦争の死亡者の書類をまとめるなど仕事が多く眠れない日が続いていた。
面白い話と言えば花沢少尉が撃たれ亡くなったらしく新しく、卒業したての少尉が就任したらしい。
―――
鯉登｢第7師団の軍医は女らしいな｣
月島｢えぇ、しかも鶴見中尉の仕込みだとか｣
鯉登｢おい月島、怪我してる所ないか｣
月島｢ないです｣
鯉登｢本当か？｣
月島｢さっき少し擦りむいただけですけど｣
鯉登｢よし！医務室に行くぞ！｣
月島｢はぁ｣
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鯉登｢鯉登と月島軍曹だ。失礼する｣
｢はい｣
扉を開けるとそこには見慣れた顔が出てきた
｢…もしかしてあんた鯉登さんか！？｣
鯉登｢ A！？｣
月島｢知り合いですか、｣
｢あぁ！4年振りじゃな！こげんところでないをしちょっど怪我け？｣
｢怪我？｣
鯉登｢なんで軍服を着ちょっど？｣
月島｢そりゃ第7師団だからでしょうよ、｣
鯉登｢第7師団……？軍医？女……！キェェェェェ！！まさかわいが軍医じゃちゆとな？！｣
｢軍医……です。｣
鯉登｢キェェェェ！！！！！｣
月島｢……気を失いました。布団へお願いします。｣
｢はい、大変ですね。お疲れ様です。｣
月島｢いえ、いつもの事なのでお気になさらず｣
｢そうなんですか、私はAと申します。｣
月島｢月島基だ。…なぜ貴方が第7師団に？｣
｢…鶴見中尉の仕込みですから、新しい時代を作ると、父の事を教えてやると言われ軍に入れたんです。昔から色々覚えさせられて大変でした｣
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作者名：ハムカツ | 作成日時：2023年10月16日 19時
