瓜二つ【ゴールデンカムイ】 (ページ40)

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海ページ40

そのあとは特にすることも無く、ただ小樽を観光していただけだった。尾形は本当に観光しに来ただけなのだろうか？それにしても随分と大きな建物が多い。
まるで海外へ来たみたいだ。
それに海の匂いもまた海外感を感じさせて少しワクワクする。

建物の隙間から見える海をぼーっと眺めていると
尾形｢なんだ。海に行きたいのか｣
と聞かれた。結構ぼーっとしてしまったらしい…。

｢少し…行きたいです｣
とわくわく感を隠しきれなかったが控えめに言う。

海なんて初めてだ。生まれて初めて。

｢海って暖かいんですかね？砂ってもしかして沼になって足が抜けなくなったりして、｣
と初めての海に興奮しながら尾形に質問を問いかける。尾形はそんなの聞こえないと言わんばかりにどこかを見て自身の頭を撫でている。

｢海だ…。｣
まだ砂浜にも足を入れてない。

尾形｢靴と靴下は脱いでいけよ｣

｢なんでですか？｣

尾形｢砂がとれなくなるぞ、俺はゴメンだ。｣
と言われ、私は素直に靴と靴下を脱ぐ。

あぁ、初めての砂浜。足を入れるとサラサラしているが少しジャリジャリと言った感じでなんとも言えない。だがそれも初めての感覚でとても気持ちがいい。砂で足の裏が少しくすぐったくなったので急いで海の方へ向かう。
尾形も後ろから着いてくる。

海の波がぎりぎり来ないところまで近づく。
ザーと音を立てている波のしぶきが私に少しかかる。
あぁ、海って冷たいんだ…
冷たい海風が髪の毛をなびかせた。
着物を膝辺りまで持ち上げ海に足を入れる。
冷たすぎる。あまりの冷たさに海から出る。

尾形｢11月の海なんてそりゃ冷たいだろうな。｣
と笑っている。

私も恥ずかしくなり少し笑ってしまう。
でも、どんなに冷たくても海へ入りたいと思ってしまう。そしてもう一度海に足を入れる
冷たくて足を水の中で動かす。冷たさが慣れた頃に1歩ずつ進む。綺麗だ。この水の中にさっき食べたニシンも泳いでて、大きな鯨も色んな魚も泳いでいるんだ。神秘的だ。凄い。とまたつい見惚れてしまった。