瓜二つ【ゴールデンカムイ】 (ページ34)

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甘い香りページ34

鯉登｢月島。行こう。｣

月島｢まだ足の傷が完治していません。傷が開いたらどうするんですか｣

鯉登｢そんなの関係ない。私はAを必ず連れ戻す。｣

月島｢…なぜ戻ってこないか分かりますか、｣

鯉登｢…分からない。｣

月島｢…そうですか。｣
と言い病室をでる。鯉登は何が何だか分からないようだ。

―――

まだ私たちは街を走っていた。

今度は私が尾形の手を引っ張って人混みの中を駆ける。
すると尾形の手がするりと抜けてしまい振り返るも人が多すぎてどこにいるか分からない。探しに行こうと下を向きながら逆走すると人にぶつかってしまった。
｢あっ、すみません｣
と顔を上げると……
菊田｢あ！？Aじゃねぇか！？｣

｢だ、誰！？｣
いきなり名前を大声で叫ばれ驚いた。
まぁ明らかに軍服を着ており危険だということは分かったので人混みの中に潜り尾形を探す。

菊田｢おい！！待て！A！｣
と叫び続けている。その声を聞いてほかの人たちも集まってきた。どうしよう。
男｢菊田特務曹長殿！軍医殿はどちらに！？｣

菊田｢見失っちまった…。だが、必ずこの中にいる。探し出せ！！｣

顔をふせながら尾形を探すと後ろからひょいと持ち上げられ視界が白いものに覆われる。襲われたのかと焦ったが尾形の声がボソボソと聞こえるのでどうやら尾形の外套の中に入ったようだ。

尾形｢今は全員お前を探してるんだ。絶対に動くな。｣
ほんのり甘い香りがするような気がするが何も言わないでおこう。