私の最高傑作 ページ33
街を巡回していた軍人も次々に集まり尾形の銃ではきっと間に合わない。
尾形は接近格闘術は得意では無いらしく近づかれたらきっと終わりだろう。
どうしようどうしよう。と頭を必死に回転させるが焦りで何も思いつかない。このバカタレ。なんでこんな時に限って！
まずい。尾形の弾の装着が間に合わず軍人が尾形に殴りかかってきた。軍人は尾形の背後にいた私を見て
｢いたぞ！Aだ！｣
と叫んでいる。なぜ名前を……。
私が手を掴まれそうになった時に尾形が倒れ込んだまま軍の男に三十年式銃剣を突き刺す。
尾形｢おい！忘れたのか。お前の親を殺したのは誰だ？お前を今捕まえようとしているのは誰だ？思い出せ！｣
そうだ、そうだ。私の親を殺したのはこいつらなんだ。そして今私を捕まえようとしているのもこいつら。
突っ立ってる暇なんかないよ私。
と狭い空間で沢山の人の死体を見る。
男がこちらに数人向かってくるが見事に上手くかわせられた｡
どうやら頭は覚えていなくても教え込まれた身体はしっかりと覚えているようだ。
軍人｢おい！近づくな！鶴見中尉の仕込みだぞ...｣
と1人の軍人が叫び誰もこちらに向かってこなくなった。だが小さな囁きが聞こえた。
｢軍医……｣｢A軍医…｣と。
尾形は痛そうに起き上がり死んだ軍人から銃や弾薬を奪っていた。
軍人は銃を構えているが何故か撃ってこない。なぜだろうか。女だからといって躊躇する人達でもないだろうし。
尾形｢行くぞ｣
と言い赤く腫れている顔を腕で拭くが、また血が垂れてくる。痛々しい傷だ。
私は何も言わずに尾形について行った。軍がそれ以上追ってくることは無かった。
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鶴見｢Aちゃんが我々に攻撃…か。｣
月島｢前は鯉登少尉の足を銃剣で刺しました。今回も巡回していた人達がやられました。｣
鶴見｢いち早く捕まえろ。そして捕まえたら私の元へ｣
月島｢はい。ですが、そう簡単に捕まるとは思えません。｣
鶴見｢当たり前だ。私が手塩にかけて育てた軍の最高傑作をそう簡単に捕まえさせる訳には行かない。｣
月島｢なっ。捕まえるつもりは無いのですか｣
鶴見｢いや、あるさ。私の傑作が簡単に捕まるわけが無いということだよ。｣
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作者名：ハムカツ | 作成日時：2023年10月16日 19時
