どんなもんだい ページ29
尾形｢お前の親は第七師団に殺された。｣
｢第七師団…？｣
尾形｢そうだ。第七師団に捕まって殺された。体を縛られ、銃で撃たれ…｣
｢うそだ。うそだ｣
尾形｢お前の親が邪魔だったからだろうな。邪魔だから殺したんだろ｣
｢邪魔って、うちの父が何をしたって言うの？！｣
尾形｢お前の親父は第七師団の行動を怪しんでいたらしくな、それがダメだったんだろう｣
｢そがいなわけ、そがいなわけ…｣
とまたフラッシュバックが始まる。
あぁ、走馬灯のように頭の中を駆け巡る今までの記憶で頭がいっぱいだ。
だが全てを思い出した訳ではない。
｢あぁ、思い出した、｣
尾形｢はっ、どんなもんだい。｣
尾形は記憶の取り戻し方にコツを掴んだようだ
今にも絶望しているAに話しかける。
尾形｢着いてこい。いいもの見せてやる｣
Aは膝から倒れ込んでいたが、両脇を掴まれ持ち上げられる。頑張ってたとうとしたがフラフラとしておりまともに立てなかった。
すると尾形が肩を貸してくれゆっくりと歩いていった。
何があるのかと顔を上げると木に括り付けられ、口も縛られている軍服を着た男がいた。あぁ、第七師団なのだとすぐにわかった。
男｢んんー！んんんー！(A軍医！軍医！)｣
と涙を流している
尾形｢何言ってんだか、｣
｢どうしたんか、この人……、｣
尾形｢お前の親を殺した1人だ。これで殺してみろ｣
と尾形の腰に着いていた銃剣を渡される。
やはりだいぶ手に馴染むこの銃剣は握り心地がいい。
男｢んん！！んん！(違う！！俺じゃない！)｣
と泣きながら首を振っている。
尾形｢なんだ？剣が嫌なら殴ってもいいぞ。｣
｢い、いや、｣
尾形｢変に考えるな、急所を刺せばいい。こいつを殺したらお前は最大の親孝行をした事になるな、｣
尾形に挑発され、焦り始める。呼吸が早くなっていき、手に力が入る。思い出した父を思い浮かべ｢親孝行、親孝行｣と心に唱える。
ここで尾形に歯向かえば見捨てられるかもしれないという恐怖あったので、逃げ出すことは出来なかった。
銃剣を上に掲げ、振り下ろした途端後ろから聞いたこともない声が聞こえた。
鯉登｢おはんはA……？｣
月島｢こっちに迷惑をかけておいて、そしてお前は一等兵に何をしてるんだ！A！｣
あぁ、また軍服の男が来た。こいつらも私の父親の関係者だろう。殺そう。親孝行だ。ただの親孝行。
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作者名：ハムカツ | 作成日時：2023年10月16日 19時
