土方歳三 ページ26
｢失礼します｣
開けた途端玄関で感じたオーラよりもさらに凄まじい猛者中の猛者の熱気が体を包んだ。こんな生きて帰れるかも分からない部屋に行きたくないと身体が拒んでいるが、さすがに出ていく訳には行かない。明日生きているだろうか……。
牛山｢お？嬢ちゃん。良い身体してるな。抱かせてくれ｣
｢え？抱かせてくれ？｣
尾形｢やめとけ、意味が無いぞ｣
牛山｢なんだ？尾形の連れか？｣
｢まぁ。｣
牛山｢そうか……。嬢ちゃんいい女だな。だが男を選ぶ時はチンポだ。｣
｢ち、ちんぽ？｣
尾形｢おい、余計なことすんじゃねぇ｣
牛山｢なんだ。余計じゃない。重要だ。｣
｢で、さっき尾形さんの意味がないってのはどういう事ですか？｣
尾形｢いや、なんでもない｣
｢なんでもない？｣
牛山｢気にするな嬢ちゃん。見た所抱き心地は良さそうだからなぁ。尾形の方が狂ってる。｣
｢それ言われても嬉しいか分かりませんよ。｣
牛山｢好きな男から抱き心地が悪いって言われるのは辛いがとにかくちんぽだ。チンポチンポ。｣
｢いやいや、好きな男じゃない！！｣
と横を見ると白く長い髪が特徴的な老人と黒髪の綺麗な女の人がいた。老人の横には長く黒光りしている刀が置いてあった。この老人、怖い。怖すぎる。
周りの痛い目に気づき、背筋が凍りついた。
まずい、第一印象は最悪だ。
土方｢あぁ。自己紹介を忘れていたな。｣
｢あ、Aです。さっきはすみませんでした……｣
土方｢気にするな。私は土方歳三だ。｣
｢土方？土方歳三って、函館で…｣
その話を遮るかのように牛山が喋り始めた
牛山｢尾形はなんでこんな所まで来たんだ？｣
尾形｢はっ。あんたにこいつの治療をしてもらいたくてな｣
家永｢治療、ですか？｣
｢その、恥ずかしながら崖から落ちてしまった時に怪我をしてしまって……。｣
家永｢なるほど。まだ病院に入ってないということですか？｣
｢いえ、行きました。手術もしました。｣
家永｢では健診という事ですね｣
｢はい。もちろんお金は払います｣
家永｢お金は入りませんよ。｣
｢え？｣
家永｢貴方のその綺麗な肌と髪の毛でどうでしょうか？｣
｢え、え？｣
家永｢あっ。髪の毛は二、三本で結構です。肌も逆剥け程度でいいです。｣
｢いや、それどうするんですか？｣
家永は何も言わずにニコニコとしてた。
やはり何となく違和感があったがよーく顔を見てみるとこの人は男だ……。でも私より女っぽい。なんだか悔しい。
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作者名：ハムカツ | 作成日時：2023年10月16日 19時
