命を持って償え ページ21
｢はあ!?嫌！こがいな男！！｣
尾形｢はっ。冗談だ。｣
｢さっきから冗談ばっかり言うて何が…！｣
尾形｢すまんな。で、杉元。お前は何の用だ｣
杉元｢俺はただ礼と謝罪をしに来ただけだ。｣
｢礼？ 謝罪？｣
杉元｢あぁ、二〇三高地であんたに治療してもらったんだ。｣
｢二〇三高地？なんの事？｣
杉元｢あれ？人違い？｣
尾形｢おい、人違いだろ。余計なことを言うんじゃねぇ。｣
杉元｢いやぁ、でも確実に…｣
尾形｢で、謝罪はなんだ？｣
杉元｢俺らのせいで崖から落ちたよな。本当にすまない。｣
｢あんたが、記憶を、｣
杉元｢記憶？｣
｢崖から落としたけぇ頭を打った！！この傷も…。｣
と服を脱ぎ背中を出す。
｢あんたのせいで、何もかも…！｣
杉元｢…本当にすみませんでした。｣
と土下座をしている。
そんな謝り方でAが落ち着く訳もなく、旅館で尾形から貰った銃剣を取り出す。
命を持って償えという事だ。
手が震えながらも、手に馴染んだ銃剣は握り心地がとても良い。杉元はまだ頭を地面に付けている。
銃剣を頭目掛けて振り下ろす瞬間に矢がAの太ももに命中する。尾形も気づけなかったようで杉元以外は皆驚いていた。
あまりの痛さに横たわり矢を抑える。ただの刺さった痛みでは無い。毒矢だ。
出血を抑えるために普段は傷口から抜いてはいけないのだが今回は毒だ。今すぐに抜いた方がいいと思いすぐに抜く。幸い毒はまだ回っておらず、一命を取り留めた。心配して駆け寄ってきた尾形の腕の中で太ももを手で抑える。
杉元｢アシㇼパさんだ！アシㇼパさん！辞めてくれ！違うんだ！｣
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作者名：ハムカツ | 作成日時：2023年10月16日 19時
