記憶喪失 ページ11
尾形｢婆さん。ここは何処ですか？｣
婆｢ここは由仁町だよ。もしかして、観光かい？｣
尾形｢由仁…。いや、病院を探してるんだが｣
婆｢病院なら真っ直ぐ行ったら見つかるよ。｣
尾形｢そうか、ありがとう｣
その後無事に病院に着いた。
崖から落ちたのに命が助かったのは幸運だった。
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手術も終わり2日後に目を覚ました。
尾形｢お、目が覚めたか？｣
｢…。｣
尾形｢なんだ？まだ痛むのか？｣
｢…痛むけど、どちら様か？｣
尾形｢は？｣
｢いや、初対面？｣
尾形｢おいおいおい｣
と尾形は焦った。頭を打った時にもしかして、
尾形｢自分の名前は分かるか？｣
｢ん…。｣
尾形｢Aだ。｣
｢A…｣
尾形｢お前の家は？｣
｢家の場所？｣
これはいい好機だと思った。第7師団も忘れているようでもう帰りたいとも言わないだろう。何も知らないAに嘘を付き、信用をおく。鶴見中尉と同じやり方で信頼を得ようとしていた。
尾形｢俺の名前は尾形百之助。お前の昔からの幼なじみだ。｣
｢幼なじみ？本当？｣
尾形｢嘘をつく訳ないだろ。心配して見舞いまで来てやったのによぉ、｣
｢すみません…。お見舞いありがとうございます｣
尾形｢あぁ、｣
まるで人がガラリと変わってしまったようだ。目に光が入り軍の人間とは思えない。1人いるとすればアイツにそっくりだった。いつも鶴見中尉、鶴見中尉と口にしていたAがその言葉を全く口にしない事も不自然だったが最も自分への対応と似ている事にとても歯が痒くなった。
尾形｢後で教える。とりあえず着いて来い。｣
と言いAの傷口が痛まないように背負う。何とも軽い体だがしっかりと鍛え抜かれてる硬い体は鶴見中尉からの教育を表しており、少しため息が出る。こんな女に教育をさせて何が楽しいのかと。
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Aは崖から落ちた時に荷物が全て置いてきたため、着替え等生活用品を全てなくしてしまった。
鯉登たちは夕張から帰る途中に足跡見つけ後を追うことにした。
鯉登｢本当にこの道であっているのか？｣
月島｢いいえ、ここの通りに何かが暴れた跡があります。それをたどっているだけです。｣
鯉登｢跡をたどって何になるんだ…｣
月島｢こんな山道を歩く人なんていないので、何か怪しいことをしているかもしれませんよ｣
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作者名：ハムカツ | 作成日時：2023年10月16日 19時
