父の事 ページ2
いきなりの事に驚いて目を見開いていると
｢私の名は鶴見篤四郎。もちろん君のことは知っている。
奥にいるのは母親かい？なんて無惨な姿なんだ……餓死だ、可哀想に｣
そう言って直ぐに私に視線を向けてきた。
｢君は私についてきて欲しい。私と一緒に新しい時代を作ろう｣
｢……時代？｣
鶴｢そうだ君には私の忠実な日本軍の部下になって欲しい。つまり私の養子になるということだ。｣
｢……｣
鶴見｢だが、国として女の子は軍に入れないから君には軍医に所属してもらう。そのためにはまず医学を学んでもらう。そしてある程度の知識を蓄えて欲しいので通常の学習もしてもらう。そしてロシア文学、あとは体術を学んでもらう｣
｢来てくれるだろう？｣
私は彼の圧に耐えきれなくこくりと頷き、手を繋ぎ一緒に山を下った。
｢北海道に一緒に行こう。心配することは無い。｣
下ったすこし先には馬車があり、中に乗せてくれた。
鶴見｢馬車は乗ったことあるかい？｣
｢父と一緒に｣
鶴見｢君の父上は素晴らしい人だったよ……なくなって残念だ。｣
｢……｣
｢｣
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北海道
｢さあ着いた。ここが我が家だ｣
着いた場所はまるで外国に来たかのような洋風の建築物があり中もシャンデリアでキラキラと光っていた。
案内されるとここが部屋だと言ってくれた。
部屋は大きく山の我が家よりもさらに大きかった。
だが、新築で空き部屋も多く、玄関には父上の靴が1足置いてあった。
変に思った私は鶴見と名乗った男に聞いてみることにした
｢なんで靴が、｣
鶴見｢……まだ子供だか……流石葉山中将の娘だね。察しがいい。この家は兵舎として私と葉山中将で建てるつもりだったんだが……私が引き継ぐことにしたんだ。｣
この時思い出した。父が鶴見中尉の事を話していた事を。
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作者名：ハムカツ | 作成日時：2023年10月16日 19時
