第五話 アダンダラのマリア ページ26
久方ぶりの穏やかな朝に、マリアはホッと一息つく。
マリアもハインも中将だ。
両者ともなかなかに忙しく、カフェに立ち寄ることすらも難しい日々を送っている。他の中将も似たようなもので、なんかんやと呼び出され出撃し、帰る頃には月の輝く夜遅く。私生活と呼べる時間は僅かなものになってしまう。実際、本日非番となっているはずのハインは何を言うでもなく軍服を着ているし、マリアも同じく武装状態を維持していた。
それはともかく。
ジャヤの一件に関する情報は、情報局の権限により元帥にしか開示していないのだとハインは言う。それだけで察したマリアはニコニコとしつつも気を引き締め直し、けれど裁量がこちらにあるのならカフェタイムくらい構わないでしょ？とハインをモーニングに誘っての現在である。
(警戒心ってより、もしもの時の被害を最小限にするためなんだろうなぁ…。)
情報局は警戒心が強く、海兵なら誰でも仲間！大歓迎！とはならないのだ。並の海兵では情報局員の配置すら知れないし、大将だって彼女達から何でもかんでも聞き出せるわけではない。それだけの権限が情報局、しいてはハインに与えられていた。
すると、可愛らしいエプロンを着た店員がホットサンドとカフェラテ、ガレットを持ってきてくれる。考え事を止めたハインは姿勢を直し、カフェラテに手を伸ばしつつ首を傾げた。その左耳には花弁を模した金細工のイヤリングが揺れ、朝の光に眩しく輝く。いわくドフラミンゴから何かの対価として貰ったらしい。
「暑くない？大丈夫？」
「あっつ…。」
「今ねぇ、二十八度。まだ朝なのにね。」
「本部より暑くないですか。」
「本当にそれよね。もっと涼しいって聞いてたんだけど、シラトラ島はいつから夏島に変わっちゃったのかな。」
マリアはガレットにフォークを入れつつ笑い、ホットサンドを食べるハインは苦笑いを浮かべた。ガレットの真ん中に乗っていた半熟卵が割られ、ハッシュドポテトとトマトの上にトロリと流れる。マリアはガレットを一口大に切って巻き、クリームチーズを少しつけてパクリと食べた。
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poidf(ポイドフ)(プロフ) - 誤字も見付けたら教えてくださいまし (11月18日 18時) (
レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
poidf(ポイドフ)(プロフ) - どこかにルビ振る為の■が混ざってるかもしれません。混ざってないかもしれない。忘れましてよ。見つけたら教えて。 (2023年3月7日 22時) (レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
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