私とあの子は違うので。【ツイステ】

不愉快Romance(2) ページ17

何かないかとポケットを探ると、指先にに何かが当たる感触がある。

(いや、でもこれで誤魔化せる…か？ええ〜い！ままよ！)

指先に当たったそれを取り出し、リドルくんに渡す。


「これ！チョコレート！！よければどうぞ！」

「あ、あぁ、ありがとう？」


驚いた顔のリドルくんにチョコを押し付けると足早に食堂を去る私の後ろからは監督生ちゃんとリドルくんが楽しそうに喋っている声が聞こえてくる。


監督生ちゃんがころころと鈴が転がるような声で笑う声が何故か耳に着く。


ずるい、羨ましい、私だって―――

(私だってなに？私はただのモブなのに。)

ううん、ちがう。確かに私はヒロインなんかじゃなくて、ただのモブ。


「そっか、そうだったよね」


モブだから、王子様を待っていても迎えに来てくれないし、魔法使いも来てくれない。


だったら、自分で道を作って歩いていけばいいんじゃない？




「道は君の前にあるのににゃ〜」


どこからか、夢で聞いたような声とテーブルをコンコンと叩くような音がした気がした。

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