暴走と私 ページ13
「………………！！、！」
「…………！」
問題児とリドルくんが言い争っているのがやけに遠くに聞こえる。
ザワザワと騒ぐ寮生達の声も、なにかを叫ぶ監督生ちゃんの声も、
あんなに耳に着いたのに、まるで薄い幕の外にいるかのようにぼやぼやとしている。
「なにも知らないくせに…ボクのことなにも知らないくせに！」
「あ〜、知らないね。知るわけねぇだろ！」
叫ぶリドルくんの声とそれをあっさりと否定する問題児Aの声だけが、やけにはっきりと聞こえてきた。
(なにも…何も知らないくせに…！！)
あれ…？私怒ってる…？？モブのくせに…？
気がつくと、私は逃げる人にもみくちゃにされいつのまにか人混みからはじき出されてしまっていた
力なくその場にへたり込む私の元に、避難を誘導していた監督生ちゃんが駆け寄ってくる
「だっ…大丈夫ですか？ここは危ないから関係ない人は早く逃げて！」
そう言って私の背中を無理やり押す。
「わ…私は、ちが、くて、」
「え？なんですか！いいからっ！早く逃げて逃げてっ！」
ちがう、違うの私関係なくなんてないの。
リドルくんは私のこといつも助けてくれて、1番に相談に乗ってくれて、
私、知ってるのリドルくんが努力家で、少し泣き虫で、でもみんなにはそれを見せてないこととか、実は凄く優しくて、厳しいのもみんなをちゃんとさせたいからだとか。
リドルくんがどんどん遠くなっていく。
どうしてあそこで向かい合っているのは私じゃないんだろう。
なんで、なにも知らない彼らなんだろう。
どうして？どうしてあの監督生なの？
あれ？なんで私こんなにかなしいんだ？
モブのくせに
問題児達からしっかりと守られつつ、まるでおとぎ話のお姫様みたいに髪の毛をなびかせて、目を潤ませながら何かを叫んでいる監督生とは対照的に、私は洗濯機の中の小さいゴミのようにもみくちゃにされていく。
同じ女の子とは思えぬ待遇の差ですよ！！ねぇ！！
そう自分を茶化すが、何故か目頭がじんわりと熱くなる。
(いけないいけない。諦めろ、仕方ない。だって私はモブだもの)
数日後、食堂内で一緒にご飯を食べていたイグニハイド寮のホブから、監督生ちゃん達がリドルくんのオーバープロットを沈め、さらにリドルくんのお悩みまで解決したことを聞いた。
「ま、めでたしめでたしってことですなぁ…！」
「…そうだねぇ…」
…これにてこのお話はおしまい。
めでたしめでたし。
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nａ - 監督生がぶりっこに見えるww (2020年8月2日 13時) (
レス) id: 65741f5374 (このIDを非表示/違反報告)
harusaaaaaaan(プロフ) - お疲れ様でした、！！この作品大好きです！幸せな気分になれましたありがとうございます(^^)！！ (2020年7月31日 0時) (レス) id: 0399b7e10d (このIDを非表示/違反報告)
みみみよ - おはじきさん» ありがとうございますー！監督生ちゃんがちょっとぶりっ子ぽく見えるのは、主人公の視点から見ているので、嫉妬フィルターがちょっとかかっているからだったりします… (2020年7月28日 17時) (レス) id: 9263a3a9a9 (このIDを非表示/違反報告)
おはじき - 監督生がぶりっこみたいで少し嫌です...けど、とっても面白い作品なので、頑張ってください！ (2020年7月28日 14時) (レス) id: 288bc31bf0 (このIDを非表示/違反報告)
みみみよ - 花蓮さん» ありがとうございますー！楽しんで読んでいただけたら幸いです！ (2020年7月26日 9時) (レス) id: 9263a3a9a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみみよ | 作成日時：2020年6月6日 15時
