深夜1時 ページ13
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なんだか異様に落ち着かない。そわそわして、思わず髪ばかり指先でいじってしまう。この服本当に似合ってるかな、とか、待ち合わせ場所本当に此処で合ってるかな、とか。思わずそんなことばかりを考えてしまって、矢張り落ち着かなかった。
それにしてもあたしよ、待ち合わせの30分前はあまりにも早すぎはしませんかね。ちょっとデート(仮)だからって楽しみにし過ぎじゃない?絶対中原さんに知られたら引かれるよ。流石に30分はないなって自分でも思うもん。
かといって今更引き返すことも出来ないし、今はただこの場所で中原さんを待つだけだ。と、そんなことを考えていた矢先に、待ち焦がれていたその姿はあたしの視界に現れた。
「 ん、おい松風!悪い、待たせたか 」
「 は、い、いえ……別に…… 」
なんだ。なんなんだ此の人は。
そりゃあ構えてはいたよ。今日は休日で、中原さんは何時もの制服ではなく私服で来るんだろうなと。私服なんて云ったらとんでもなく格好いいんだろうなと。
だけどなんだ目の前の此の人は。あまりにも格好よすぎないか。真っ白のシャツに相反する黒いパンツとジャケット。胸元の金のネックレスが陽の光を反射して、綺麗に光ってる。控えめに云ってヤバい。格好よすぎて目も当てられない。これが尊いってヤツなのか。今のあたし語彙力のないオタクみたい。
中原さんは呆気に取られ呆然としているあたしに、またからかうように笑いながら声をかけた。
「 なに固まってんだよ。てか待ち合わせあと20分も先だろ、早すぎねえ? 」
「 い、いや、あまりにも中原さんが格好よすぎて……! 」
「 はは、あんがとな 」
歯を見せて笑いながらあたしの頭を撫でる。もしかして中原さん、頭撫でるの癖なのかな。
中原さんはじゃあ行くかと云って歩き出した。その後ろを置いていかれまいとついて行く。背中をみつめながら、あることに気付いた。
あれ?何となく流しちゃったけど、さっきの言葉って。まだ20分も先。あたしが早く着いたのはこの時を待ち侘びて、気持ちも身体も早まっちゃったからで。でも中原さんが此処に着いたのも待ち合わせ時間の20分も前。
あれれ、それってもしかして。もしかして中原さんの考えがあたしと同じなら。
「 な、中原さんっ!もしかして今日、楽しみにしてくれてました!? 」
「 ……そーゆーのは、気付いても云うなって 」
真っ赤に染まった耳は、肯定ととってもいいんですよね、中原さん。
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しょこたん(プロフ) - 初めまして!警官中也さんとか最高過ぎます!続き更新してほしいです! (2018年12月10日 20時) (レス) id: 130af08cdc (このIDを非表示/違反報告)
しらせ(プロフ) - キサラギさん» コメントありがとうございます!その発想はなかったけど面白すぎませんか、、、笑 中也さん不憫すぎます笑 マフィア中也さん×警察官夢主ちゃん、、、それはそれで面白いかもしれませんね笑 ありがとうございます! (2018年8月24日 6時) (レス) id: d14bf30071 (このIDを非表示/違反報告)
キサラギ - タイトルだけ見てるとマフィアの中也が (身長のせいで) 警察に補導されたのかと思って笑ったw (2018年8月24日 0時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
しらせ(プロフ) - 乃杏さん» コメントありがとうございます!夢主ちゃんと中也さんが色々すれ違っちゃうかもしれませんが、また暖かい目で見守ってやってください〜笑 (2018年8月22日 7時) (レス) id: bba8357d2d (このIDを非表示/違反報告)
乃杏(プロフ) - 夢主ちゃん!大丈夫!私の親は6歳差だから! (2018年8月21日 17時) (レス) id: 477b1e96bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しらせ | 作成日時:2018年8月11日 20時