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蒸し暑い部屋でカタカナばっかりの年表とにらめっこする｡
『なぁ、せんせ｡影のないニンゲンって居ます?』
「...ニンゲン型、なら居るかもしれませんが...ニンゲンではないでしょうね。」
向かい合った先生は赤ペンを走らせている。
『ふぅん...』
「会ったのですか?」
『...いや、別に｡』
「...何度も会っているようなら大分気に入られているのでしょうね｡何か食べ物など貰ったことはありますか?」
色素の薄い瞳と視線が合う。
『え、なんでわかるんですか?』
先生の顔がわかりやすく引き攣る。
『あ、でも最近食べたいって言ってもくれないんですよね』
今思えば、かき氷もなんか赤い実も断られた｡
「...へぇ、不思議ですね...?」
『なんなんですか?』
「死者の国の物を食べると現世には戻れない、というお話があるのですよ｡そうして気に入った者を留めさせるとか｡」
『...先生、私が帰ってこんかったら察してくださいね｡』
くたびれた学生カバンを持ち勢いよく立ち上がる｡
「きっ、危険ですよ!」
『知ってるー!!』
だって。聞かなくちゃ｡
+++
『ぺ神!居るー!?』
よく考えたら名前に神がついてる時点でお察しだなぁ｡
「...なんでおるん｡」
『え、』
透けてる｡元々肌も白かったし、色素も薄かったけど、透けてはなかったよ｡
「どこまでわかった?」
『...ペ神がニンゲンじゃない、ってだけ』
「食べ物の話は?」
『聞いた｡変やなーとも言ってた｡』
「やろな｡」
ま、座り｡彼はそういって日陰に腰を下ろした｡
「俺は死人じゃないからちょっとちゃうけど、こっちの物食べる度にこっち側に来るのは一緒や｡一目惚れやった｡眩しかったんや｡早くこっちに来てくれって、こいつなんも気づかん阿呆やなって思ってた｡」
視線を落とし、懺悔でもするかのように手を組む。
「いつも通りAが帰った後に"これってA幸せか?"って思ったんや｡次来た時にAが指先の感覚なくなっていってるって聞いて焦った｡自分何しとったんやってな｡」
「でも、お前はもうこっち側に近づいてしまった｡引き込まへんためには俺がここに居るのをやめる必要があってん｡」
既に消えかかった瞳と視線が合う｡
「ありがとう｡沢山わがまましてごめんな｡ラムネ美味しかったわ｡」
握手のように差し出された手が消えていく｡
『待って、まだ私何にも言ってない』
離すもんかと勢いよく両手を出した｡
ぱん｡
===
涙が地面に花を滲ませる｡
もうどこにもあの鳥居は無い｡
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しをじゃけ(プロフ) - 夢喰いbakさん» 返信遅れまして申し訳ありません...！そう言っていただけるととても嬉しいですし、励みになります！全ての作品に魅力があるのが伝わってとても嬉しいです〜！^^風邪引いちゃいますので服は着てください(笑) (2020年7月18日 2時) (
レス) id: df6ceccb61 (このIDを非表示/違反報告)
夢喰いbak - 素晴らしい企画を発案、実行、投稿して頂き、誠に…まっこっとっに！ (おふざけ)ありがとうございます!!!! 全ての作品に楽曲の素敵さや儚さが詰め込まれていて心にキました…。第二弾！全裸待機していますよ…!!(笑) (2020年7月15日 0時) (レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
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