第四百十八訓 ページ40
コツ、コツ、コツ……
靴音が、病院の廊下に響き渡る。
…………え、何で病院に居るのかって?
ほらアレだよアレ。みんな前話見たでしょ?銀魂あるある長篇終わったら入院しちゃうアレです。それにトシもなって入院しているから、お見舞いに来たという訳なんだ。
因みに見舞い品はドーナツです。まあどうせトシの手でマヨネーズかけられて食べられる運命なんだろうけど。
______ガラガラガラッ、
『おーいトシー。お見舞いに来ましたよー』
看護師さんに教えてもらったトシの病室を開ける。
清潔そうな部屋でふわりと窓の開いた解放的な空感……病院なだけあって気持ちいい環境だね。
『居ますかー…って何やってんですか??』
因みに中に入って見えたのは、筆を持って眉間に皺を寄せているトシ。誰かに手紙でも送るのかな?
土方「あ?…Aか」
『全く、トシは直ぐ筆取ろうとしますねぇ、安静にしろって綺麗な看護師さんに言われてたでしょう羨ましい事に。爆ぜろ』
土方「病室に入って開口一番のセリフに私怨混ぜてんじゃねーよ」
とりあえずトシを強制的に寝かせた。看護師さんに見つかって怒られるの私なんだからね。
『…でー?誰宛ての手紙ですか、こりゃァ』
土方「見りゃ分かんだろ。バラガキへ、だよ」
便箋と封筒の方を見てみる。便箋は真っ白。封筒には…"バラガキ様へ"と歪な字で書いてあった。
成程ね…鉄之助君へ、か。
『なんて書くんです?見習うべき優秀な部下である、私の自慢でも書きますか?』
まあそーんな恥ずかしい事を実際に書いたらヤバイんだけどねー。あは、冗談だよ冗談。
土方「あー…そうだな。俺が大事にする男勝りな部下の事でも書くか」
『…………え……はァ!?!?』
土方「ベタ惚れしてる愛しい女、でも良いが」
『っちょ、何言ってんの!?』
土方「まァどっちにしろお前だけどな」
『〜っ!!!トシに、からかわれた…屈辱…』
私が顔を真っ赤にしているのを見てフッ…と笑うトシ。冗談のつもりだったのに何本気にしてんだよこの人!!
『っ、トシのばーーーーか』
土方「馬鹿で結構。そういうお前は照れるとガキみてぇな煽り文句しか出てこねえのな?唆る」
『っ!?う、うるさいし!!』
トシの笑い声が響く和やかな雰囲気を漂わせる病室。風が吹き抜けてくるその窓からは、紙飛行機がふわっ、と入ってきて。
それには、意外にも整った字でこう書きてあった。
バラガキ篇、完
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どどん - とっても面白くて何度も読み返してます!そして小説の更新お疲れ様です。失礼ながら私夢主の絡んだ百合大好きでして…お時間あったら信女ちゃんとの絡みが読みたいです!図々しくてすみません。 (2022年8月4日 4時) (レス) id: fc656b568c (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 夢花さん» わかるぅぅぅ土方さん良いよねぇ……書いてて楽しい。 (2021年5月9日 21時) (レス) id: 2209f9ef43 (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - あっ…土方さん…すこ…推せるわ… (2021年5月9日 21時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
みぃちゃん(プロフ) - こちらこそリクエスト答えてくれてありがとうございます!とても嬉しいです! (2021年4月14日 22時) (レス) id: ebf93dd213 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - おけです!ぱっつぁんですね、頑張ります!バラガキ篇も頑張りましたー!!これからも宜しくお願いします! (2021年3月22日 22時) (レス) id: ac88d92ae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2021年3月3日 13時