【銀魂】空から女の子が降ってきました。11

第三百九十七訓 ページ19

私が驚いている横で、佐々木君は何でも無いかの様に口を開く。





佐々木「どうやら身分を隠してちょくちょく出入りしていた様ですね」





行き場の無かったアレには丁度良い居場所だったのでしょう、と続ける佐々木君。





佐々木「金回りが良いせいか頭目の魘魅眠蔵にも随分可愛がられていた様ですしね。しかし、日増しに過激になっていく組織と警察の縁者という事が露見する事を恐れ逃げ出した。

………結局、アレの場所はどこにも無かったというワケです」





不意に、鉄君が捕らえられているというビルの屋上を仰ぎ見た。そこには遠目ながらも小さく鉄くんが見えて。





(………縄で厳重に縛られ拘束されているな……顔にも殴られた跡多数。報復って怖いねぇ)





周りに沢山の知恵空党の奴等がいるから…下手な正面突破をすると鉄君が殺されかねないから難しそうだ。



もしここに居るのが私達真選組だけならば、慎重に交渉に応じて別働隊に鉄くんを救い出すよう指示していただろう。表面的には従うふりをして。

＿＿＿＿＿＿だが、ここにいるのは私たちだけではない。





佐々木「まァ警察の縁者と言うことは最悪な形でバレてしまった様ですがね……見廻組局長の弟、真撰組副長の小姓。

これを握れば江戸最強の警察組織を一気に二つ潰せる、とでも思ったのでしょうか……知恵空党、でしたっけ？随分とおつむが足りない連中のようだ」





………この男がいるのだ。佐々木くんが。彼が鉄君ひとりの為に労を割こうとするだろうか？





佐々木「とんだ検討違いですがね。真撰組と見廻組……両局長の首が、あの軽い首と等価だとでも」





………否。



彼は案の定というか、その無表情のまま言い放った。









＿＿＿＿＿＿＿＿「総員出撃だ、人質に構う事はない。攘夷浪士共を殲滅するのだ」









『っ、』



土方「っ？！な、」





容赦の無い言葉に真撰組の者はほとんどが驚いたと思う。現に私も驚き、動揺している。いや……薄々理解してはいたけれど。





(佐々木君がそーゆー人間だって事は知ってた…鉄君が拐われているというのに眉一つ動かさないし。けれど……こうもアッサリ殺そうとするなんて)





見廻組に容赦なく指示する佐々木君。近藤さんが止めようとしても淡々と避けていく。



それを見て………少し、顔を歪めてしまった。










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