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「あ、風間」
自室で剣術の本を読んでいると風間が知らないうちに横にいた。
何でもっとこう、楽しく挨拶とかできないのか
「あんた此処にいて良いの?今日歳三と喧嘩したんじゃないの」
今日、無事に彼らが帰ってきた。
なのに歳三めちゃ不機嫌で、平助に理由を聞くと風間と喧嘩になったらしい
「構わん」
「てか何で来た?様子見に来てくれたの?」
「……」
こいつはこういう事に全く触れないからな。からかうつもりで言ったのに、楽しくねぇや
「怪我ならこの通りすっかり治ったよ」
負傷した左肩をブンブンと振ってみる。それを見た風間はどうでも良さそうに視線を逸らした
はいはい。本当は心底心配だったんでしょ。素直になれよまったく
「プライドが高いのは分かるけどもう少し大人になったら?」
「…何だと」
「今日もどうせ、あんたがトシに喧嘩ふっかけたんでしょ」
「あいつらが気に食わなかっただけだ」
「はいはいそうですか」
私が紙をめくる音が部屋に響く
そっちが喋らんなら私も喋ってあげないからなバーカ!
「…南雲は」
と思ったら口を開く風間
「薫?」
「あぁ、最近どうだ」
「特に何も」
「そうか。あいつは鬼の風上にも置けんな」
「鬼…か。まさか始末しようと思ってないよね」
「…」
風間の方を見る
彼は私の目をじっと見据えていた
「いや、止めてよ」
「何故だ」
時間が経つにつれて、薫の事を怖いと感じる事がなくなっていた
確かに、大切な人を彼に奪われた。
でも彼も、大切な人を手から離れないようにするためにあんな事をやったんだ。
やり方は間違っているかもしれない
でも彼は、正しい方法を知らなかった
そんな彼を、救ってあげたいと思う気持ちの方が恐怖よりも大きくなっている
「あの子は悪くない。学ぶ環境が南雲家だったからダメなんだ。
…ただあの子が、完全に壊れてないかが心配だなぁ」
風間は腕を組んだまま座っている
「…で、本題はなに?あんたが話したいのこんな事じゃないでしょう?」
にこりと微笑むと、風間が口を開いた
「共に来い」
風間から出されたその言葉は紛れもなく命令形で。その言葉に私は即答した
「行かない」
「何故だ?」
「ていうか最近まで千鶴ちゃん追いかけてたよね?まぁ彼女に被害がいかないならいいけど」
「あの女は俺のことを嫌っている」
「分かってるじゃないですか」
「…」
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ドラごん(プロフ) - にわかさん» ありがとうございます!頑張ります! (2016年7月12日 21時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
にわか - 更新頑張って下さい応援してます! (2016年7月12日 21時) (レス) id: 273458644d (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 睦月 雪さん» そう言っていただけて、とても嬉しいです!最近本当に忙しく疲れてしまって全く更新ができていませんでした…。一気に更新が来ると思うのでもう少々お待ちを!本当にコメント嬉しかったです。ありがとうございました (2016年5月25日 0時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
睦月 雪(プロフ) - すごく好みの作品です!読んでいて飽きないし楽しいです。更新がんばってください!楽しみにしてます! (2016年5月24日 23時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ドラごん(プロフ) - 燐タロさん» ありがとうございます!!頑張りますねっ!! (2016年2月16日 22時) (レス) id: 19ae749365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ドラごん | 作成日時:2016年1月16日 11時